◇◆◇日々のみ言葉
2016年5月3日(火)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章6節】
14:6 すると、イエスは言われた。「そのままにしておきなさい。なぜこの人を困らせるのですか。私のために、立派なことをしてくれたのです。」
◎ショートメッセージ
《昨日に引き続き、ベタニヤの姉妹マルタの妹マリヤの取った行動について学んで行きましょう。
この記事は、マルコとマタイの福音書に記載されていますが、ルカの福音書には同じような記事ですが、全く別な記事が記載されています。そのことについては、すでに学びました。
さて、使徒ヨハネは、三つの共観福音書を知っていたことは、ほぼ間違いのないことです。しかし、この記事を書き加えたのです。もう一度、ヨハネの平行記事に目を向けて見ましょう。
『イエスは過越の祭りの六日前にベタニヤに来られた。そこには、イエスが死人の中からよみがえらせたラザロがいた。人々はイエスのために、そこに晩餐を用意した。そしてマルタは給仕していた。ラザロは、イエスとともに食卓に着いている人々の中に混じっていた。
マリヤは、非常に高価な、純粋なナルドの香油三百グラムを取って、イエスの足に塗り、彼女の髪の毛でイエスの足をぬぐった。家は香油のかおりでいっぱいになった。(ヨハネの福音書12:1~12:3)』
マタイもマルコも、マリヤは、イエス様の頭から香油を注いだことになっています。しかしヨハネは、マリヤがイエス様の足に塗ったこととなっています。これはどういうことでしょうか。
マリヤは、間違いなく主イエス様の頭の上から、「ナルドの香油」を注いだのです。
ヨハネは、イエス様と弟子たち、そして何とラザロも食卓に着いていたことを書き記しています。
実は、当時は今とは違った姿勢で食事をしたのです。レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」の絵をご存じでしょうか。そうです。テーブルにイエス様と弟子たちが、真横に描かれています。あの絵は、当時の状況とは違うのです。当時のユダヤでは、皆が寝そべって食事をしたのです。
そうです。寝ているのです。
マリヤは、イエス様の頭から油を注いだのです。もし現在と同じように、イスに座って食事をしていたのなら、頭から注がれた油は、下の方へと流れて行きます。そしておそらく足の方へと、したたり落ちて行くはずです。
しかしイスには座っていないのです。寝そべっていますから、油は足までは流れて行かないのです。
それだからこそマリヤは、イエス様の胸元あたりに、あるいは上半身の下に、流れ落ちた油を、手ですくい、イエス様の御足に塗り、長い髪の毛でぬぐったのです。
おそらく弟子たちがマリヤを厳しく責めている時でさえ、マリヤは、自分の髪の毛でイエス様の足をぬぐい続けていたはずです。
それゆえイエス様は弟子たちに、「そのままにしておきなさい。なぜこの人を困らせるのですか。私のために、立派なことをしてくれたのです。」と、言われたのです。》