◇◆◇日々のみ言葉
2016年6月4日(土)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章44節】
14:44 イエスを裏切る者は、彼らと前もって次のような合図を決めておいた。「私が口づけをするのが、その人だ。その人をつかまえて、しっかりと引いて行くのだ。」
◎ショートメッセージ
《そしてすぐ、イエス様がまだ話しておられるうちに、十二弟子のひとりである、イスカリオテのユダが現われました。使徒ヨハネは、その時の場面をじかに見ていました。
ヨハネによりますと、
『ユダは一隊の兵士と、祭司長、パリサイ人たちから送られた役人たちを引き連れて、ともしびとたいまつと武器を持って、そこに来た。(ヨハネの福音書18:3)』と、書かれています。すなわちローマ軍が関与したことが書かれているのです。
イスカリオテのユダは、「彼ら」すなわち祭司長、律法学者、長老たちから差し向けられた者たちと、前もって合図を決めていたのです。
その合図とは、口づけでした。「私が口づけをするのが、その人だ。」
当時のユダヤでは、弟子が尊敬と親愛を込めて、その師であるラビのほほに口づけをする習慣がありました。
またユダヤ人の男性は、口ひげやあごひげを伸ばしていました。皆、同じような格好をしていたのです。そればかりでなく、おそらく弟子たちも、イエス様と同じような出で立ちであったはずです。
それゆえ、誰がイエス様であるのかを、間違うことなく指し示すことが出来るのは、数年間身近にいた者にしか、出来ないことでした。
また、今のように明るい街灯などはありませんから、真夜中の暗闇においては、唯一月明かりと、自分の持っているたいまつだけが、頼ることが出来るものだったのです。
この時、十一使徒たちは、どのような顔をして、イエス様に近づくイスカリオテのユダを見詰めていたのでしょうか。もちろんその場所には、十一使徒だけでなく、他の弟子たちもいたはずなのです。彼らの目には何が映ったのでしょうか。
イエス様は、ペテロとヤコブとヨハネに言われました。
「時が来ました。見なさい。人の子は罪人たちの手に渡されます。立ちなさい。さあ、行くのです。見なさい。私を裏切る者が近づきました。」
聖書は、この時、三人の側近の弟子たちが何を思ったのか、書かれてはいません。また主イエス様の御側にいたヨハネでさえ、その福音書に、その時の彼らの驚きや彼らの気持ちを書き記してはいないのです。
それほど、イスカリオテのユダが裏切ったことが信じられない、信じたくない、いや認めることや、受け入れることが出来なかったとしか、考えられないのです。
「ユダ。なぜお前が。」「なぜだ。」「なぜなんだ。」
これが、その時の彼らの思いでは、ないでしょうか。》