◇◆◇日々のみ言葉
2016年6月6日(月)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章47節】
14:47 そのとき、イエスのそばに立っていたひとりが、剣を抜いて大祭司のしもべに撃ちかかり、その耳を切り落とした。
◎ショートメッセージ
《この場面については、マルコは、簡潔に書き記しています。マルコは、シモン・ペテロの通訳者でありました。ペテロはギリシャ語を話すことが出来なかったからです。
マルコの福音書は、ペテロの説教を思い出しながら、彼が順にまとめたものだからです。
よって、ペテロは、ゲッセマネの園にやって来た人々が、イエス様を捕らえに来た時、イエス様のそばに立っていたひとりの弟子が、剣を抜いて大祭司のしもべに撃ちかかり、その耳を切り落とした事実しか、話さなかったことが分かります。
マタイは、もう少し詳しく書いていますが、ほぼマルコの福音書と同じであり、その後、イエス様が言われたことを多く書き留めています。
マタイによりますと、
『すると、イエスと一緒にいた者のひとりが、手を伸ばして剣を抜き、大祭司のしもべに撃ってかかり、その耳を切り落とした。
そのとき、イエスは彼に言われた。「剣をもとに納めなさい。剣を取る者はみな剣で滅びます。それとも、私が父にお願いして、十二軍団よりも多くの御使いを、今私の配下に置いていただくことができないとでも思うのですか。だが、そのようなことをすれば、こうならなければならないと書いてある聖書が、どうして実現されましょう。」(マタイの福音書26:51~26:54)』と、書かれています。
ここでも「イエスと一緒にいた者のひとり」となっていて、これが誰であるのかは書かれてはいません。
今日は、マルコとマタイの福音書から、この場面を考えて見ましょう。
まず、何人かの弟子たちは「剣」を持っていたことが分かります。三年半にわたるイエス様の公生涯において、イエス様と弟子たちは、様々な場所に伝道に行きましたから、身を守るためには、特に主イエス様を守るためには、剣が必要であったことが分かります。
もっともイエス様は、まことの人間ですが、まことの神様でもありましたので、時が来なければ、誰もイエス様に触れることはもちろん、また危害を加えたりすることは、出来ませんでした。
そればかりでなく、もしそのような輩(やから)がイエス様に近づいたとしたら、ご自身が神様としての力を使われたことは、言うまでもありません。
そのことを、イエス様はここで弟子たちに明らかにしているのです。
「剣をもとに納めなさい。剣を取る者はみな剣で滅びます。それとも、私が父にお願いして、十二軍団よりも多くの御使いを、今私の配下に置いていただくことができないとでも思うのですか。」
この時、イエス様を捕らえに来たのは、ユダヤ最高議会から遣わされたパリサイ人や律法学者たち、そして祭司長たちと民の長老たちばかりではなく、ローマ軍の千人隊長と六百人からなる一隊のローマ兵もやって来たのです。
もちろん、イエス様がその気になれば、天の軍勢が降って来て、彼らを一瞬に滅ぼすことなど、たやすいことなのです。しかしイエス様はこう言われます。
「だが、そのようなことをすれば、こうならなければならないと書いてある聖書が、どうして実現されましょう。」
イエス様は、ご自分から十字架の道に向かわれたのです。私たちに「永遠のいのち」と「罪の赦し」を与えるために、捕らえられることを許されたのです。》