• 日々のみ言葉 2016年6月11日(土)

    ◇◆◇日々のみ言葉

    2016年6月11日(土)

    ◎聖書箇所 【マルコの福音書14章51節~52節】
    14:51 ある青年が、素はだに亜麻布を一枚まとったままで、イエスについて行ったところ、人々は彼を捕えようとした。
    14:52 すると、彼は亜麻布を脱ぎ捨てて、はだかで逃げた。

    ◎ショートメッセージ
    《この記事の出来事は、ほかの福音書には記載されておりません。マルコによる福音書にしか書き記されていないのです。
    「ある青年」と言い、その名前が記されていませんが、おそらくこの福音書を書いたヨハネ・マルコであったのではないかと言われています。この伝承は、かなり信頼すべきものです。
     もしもそうであるとしたら、この記事はどういうことを伝え、あるいは教えているのでしょうか。
     逃げ出した十一人の使徒たちだけがだらしなかったのではなく、この福音書を書いているマルコ自身も、だらしなかったと言うことを告白しているようにも思えます。
     また、イエス様が捕らえられた時、その場にいた人は、皆逃げ出してしまったのだと言うことを、強く強調しているとも、思われるのです。

     主イエス様と弟子たちが、「最後の晩餐」の食事をされた所は、マルコの家の二階であったと言われ、ほぼ間違いのないことだと言われています。
     そこでイエス様と他の弟子たちと共に、食事にあずかったイスカリオテのユダは、出て行って、イエス様を捕らえるために大勢の人々を引き連れて、戻って来ることになります。
     まずユダが案内する場所は、間違いなくマルコの家であったはずです。まだそこに、イエス様と弟子たちが残っていないかと、捜索しに来るのが、定石だからです。
     
     イエス様と十一人の弟子たちは、「過越の食事」を終えると、賛美を歌ってオリーブ山のゲッセマネの園に向かわれました。
     その時まで、おそらく接待していたマルコは、後片付けを終え、寝ようとして寝間着に着替えて、横になっていたかと思われます。

     そこへ、何百人の人々がやって来たのです。
     驚いたマルコは、寝間着を着たまま家を飛び出し、オリーブ山のゲッセマネの園に向いました。イエス様に急を告げるためです。おそらく別の道を使ったと思われます。ところが、そこに着いて見ると、主イエス様はもう捕らえられてしまっていたのです。

     しばらくはイエス様の後に付いて行くのですが、いよいよ我が身にも追手が及ぼうとした為、マルコは来ていた寝間着を脱ぎ捨てて、逃げ出したのではないかと思います。
     おそらくローマ兵の一人が、マルコの寝間着に手をかけたのではないでしょうか。そうだとするならば、寝間着を置いて、裸で逃げたことに、納得が行くと言うものです。

     マルコは、自分の弱さ、恥ずかしいことを、ここに記したと考えることが出来るのです。
     それでは、なぜあえて、ここに書き記したのでしょうか。私は二つの理由が思いつくのです。
     一つは、マルコ自身がイエス様の捕らえられた場面と場所を目撃していることを、証するためであり、もう一つは、この福音書を書いた頃のマルコは、当時のクリスチャンの間において、すでに大きく用いられており、その自分でさえ、あの時逃げ出した弱い者であることをあえて公表することによって、高ぶることのないように、自分自身を戒めたとも考えられるのです。
     主イエス様は、弱い者を用いられるのです。神様は、へりくだった者を、大いに用いられるお方なのです。》

Comments are closed.