◇◆◇日々のみ言葉
2016年8月15日(月)
◎聖書箇所 【ルカの福音書1章1節~4節】
1:1 私たちの間ですでに確信されている出来事については、多くの人が記事にまとめて書き上げようと、すでに試みておりますので、
1:2 初めからの目撃者で、み言葉に仕える者となった人々が、私たちに伝えたそのとおりを、
1:3 私も、すべてのことを初めから綿密に調べておりますから、あなたのために、順序を立てて書いて差し上げるのがよいと思います。尊敬するテオピロ殿。
1:4 それによって、すでに教えを受けられた事がらが正確な事実であることを、よくわかっていただきたいと存じます。
◎ショートメッセージ
《昨日からは、ルカの福音書に入りました。昨日は、福音書を書いたルカ本人について学びました。今日は、この福音書がなぜ執筆されたかについて考えて見たいと思います。
新約聖書の福音書は四つあります。マタイ、マルコ、ルカにおける三つの福音書を共観福音書と称し、ヨハネの福音書をそれとは別の福音書として第四福音書と称しています。
聖書学者によって、一番先に書かれた福音書はマルコの福音書であることはほぼ間違いないと言われています。おそらく紀元50年代の前半頃に書かれました。
その次には、マルコの福音書を基にして、使徒であるマタイ(取税人レビ)が、紀元50年代の後半頃にユダヤ人のために執筆しました。
そしてその次に出されたのが、ルカにおける福音書ですが、ルカは、パウロがローマに投獄された2年間の間に、綿密に調べあげ、福音書とその続きである「使徒の働き」を、おそらく紀元60年代前半頃に執筆したと思われます。
マタイ、マルコそしてヨハネはユダヤ人ですが、ルカは異邦人のギリシャ人であり、異邦人として、異邦人の為に福音書を書き記したのです。
さて、3節には、「尊敬するテオピロ殿」と、一人の名前が掲載されています。
また「使徒の働き」の最初にも、
『テオピロよ。私は前の書で、イエスが行ない始め、教え始められたすべてのことについて書き、お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで及びました。(使徒の働き1:1~1:2)』と、同じ名前が書き記されています。
「テオピロ」というのは「神の友」という意味です。しかし「尊敬する」と言う表現は特定の人に付されている言葉であり、原語では「閣下」と同じ単語が用いられています。
と言うことは、ローマ社会の重要な地位にあった人物であることは間違いありません。
ルカの福音書では、「尊敬するテオピロ殿」となっていますが、「使徒の働き」では、「テオピロよ」と、さらに親しい呼び名が使われています。このことから、この「テオピロ」と言う、ローマ社会において地位の高い人物が、主イエス様に興味を持ち、ルカに詳しい教えを要望し、そしてその福音書を読んで、あるいはルカから学び、信仰を持ったことは、間違いないと思われます。
ここでも神様は、ひとりの異邦人であるローマ人を用いられたのです。もしこの「テオピロ」と言う人物とルカの出会いがなかったとしたら、「ルカの福音書」も「使徒の働き」も、この世界に存在しなかったかも知れないのです。
確かにルカは、「テオピロ」と言うひとりの人物の為に、二つの素晴らしい書物を書き記しましたが、本当は全人類の為にこの書物を、聖霊様が、使徒パウロの同労者であった医者ルカを用いられて、書き記されたのです。
明日からいよいよ、本文の内容について、「日々のみ言葉」として、よくかみ砕き、味わって行こうではありませんか。》