◇◆◇日々のみ言葉
2017年2月22日(水)
◎聖書箇所 【ルカの福音書7章15節】
7:15すると、その死人が起き上がって、ものを言い始めたので、イエスは彼を母親に返された。
◎ショートメッセージ
《「青年よ。あなたに言う、起きなさい。」
このお言葉に、カペナウムからイエス様と弟子たちの後をついて来た人々や、やもめのひとり息子を葬る為に、ついて来たナインの町の人々の目線は、ただ一点にだけ集中したのです。
この時、この大群衆の中には、二種類の人々がいました。それは、主イエス様を「メシヤ」として信じ信頼し、そして神の御わざを期待している人々と、全く馬鹿げたことに思え、期待も関心も無く、信じることが出来ない人々です。
カペナウムからイエス様の後について来た人々の多くは前者であり、ナインの町の人々の多くは後者に属していたのではないでしょうか。
ところで、母であるやもめはどちらでしょうか。私は前者であると思うのです。
なぜならイエス様は彼女に、「泣かなくてもよい」と言われたのです。その時、そのお言葉だけではなく、深い哀れみと慈愛に満ちた眼差しから、彼女はイエス様が普通の人ではないことを、一瞬にして悟ったと思うのです。そして一瞬にして信じたのではないでしょうか。
なぜならイエス様は、信仰のない所には奇蹟をなさらないからです。
「青年よ。あなたに言う、起きなさい。」
イエス様の、遠くまで響き渡るような権威あふれる声が、町中にこだましたのです。
その時です。ひとり息子の遺体が動いたのです。
当時のユダヤの棺には、今のように蓋はなく、しかも四隅を簡単な板で囲っただけで、遺体は丸見えでしたから、そこにいたすべての人にそれが見えたのです。
それまでは、布でぐるぐる巻きにされた「もの」は、全く動くことはありませんでした。イエス様が言われた直後に、その「もの」が棺の上で、むくっと起き上がったのです。そしてものを言うではありませんか。
当然です。布で巻かれていますから、息が苦しいのは当たり前だからです。人々は急いで棺を地面に降ろすと、一生懸命に布を巻き取りました。
やがて顔が出てくると、ひとり息子の青年は、力一杯息をして、微笑んだ顔を母親に向けたのです。死人に巻かれていた布がすべて取り去られ、イエス様はその青年の手を取って、生き返ったむすこを、その母親に渡したのです。
その時、大群衆から大きなどよめきと大歓声が起こったことは言うまでもありません。やもめの母は、イエス様に何度も何度も頭を下げ、そして今度は喜びの涙を流すのでした。
悲しみの涙は、何時の日にか必ず喜びの涙に変えられる時がやって来ます。私たちが流した涙は、決して一滴たりとも無駄にはなりません。
涙を流した数以上に、主イエス様は、喜びを与えて下さるからです。このお方は、今も生きておられます。》