◇◆◇日々のみ言葉
2017年6月12日(月)
◎聖書箇所 【ルカの福音書9章37節~38節】
9:37 次の日、一行が山から降りて来ると、大ぜいの人の群れがイエスを迎えた。
9:38 すると、群衆の中から、ひとりの人が叫んで言った。「先生。お願いです。息子を見てやってください。ひとり息子です。」
◎ショートメッセージ
《イエス様は、弟子たちを連れて、ピリポ・カイザリヤの村々にやって来ました。そこで多くのいやしと悪霊を追い出され、それからペテロとヤコブとヨハネの三人だけを連れて、ヘルモン山に祈るために登られたのです。
ヘルモン山は、標高2,800メートルの高い連山で、頂上は万年雪に覆われていました。イエス様の一行が、この山のどこまで登られたのかは、分かりませんが、もし頂上まで行くとしたら、それなりの装備が必要なことは言うまでもなく、また数日の日数を費やす必要があったことは想像出来うることです。
これは登山を趣味とする者として、私の推測にしか過ぎませんが、おそらく朝早くピリポ・カイザリヤを出発して12時間くらい登った所で、夕方になり、そこで祈っておられたのではないでしょうか。ヘルモン山の中腹辺りではなかったと思われるのです。そこで三人の弟子たちは、大いなる体験をすることになるのです。
「次の日」とありますから、山で野宿されたことが分かります。いくら中腹とは言え、高い山は、朝晩相当に冷え込みますから、彼らは火を起こしたはずです。
と言うことは、この時すでに、当時の人々が火を起こす道具を、常に携帯していたことが分かります。
登山は、登るよりも下山の方が、時間はかかりませんから、前日の半分くらいの時間で、イエス様の一行は、残りの九人の弟子たちが待つピリポ・カイザリヤのある村にまで戻って来たと思われます。時刻は昼頃ではなかったでしょうか。
すると、そこには大勢の人々がいたと言うのです。しかもイエス様を待っていたのです。
その時です。
群衆の中から、ひとりの人が、イエス様の所へ進み出て来たのです。そして、
「先生。お願いです。息子を見てやってください。ひとり息子です。」と叫んだのです。
マルコの福音書では、
『さて、彼らが、弟子たちのところに帰って来て、見ると、その回りに大ぜいの人の群れがおり、また、律法学者たちが弟子たちと論じ合っていた。そしてすぐ、群衆はみな、イエスを見ると驚き、走り寄って来て、あいさつをした。イエスは彼らに、「あなたがたは弟子たちと何を議論しているのですか。」と聞かれた。
すると群衆のひとりが、イエスに答えて言った。「先生。おしの霊につかれた私の息子を、先生のところに連れてまいりました。」(マルコの福音書9:14~9:17)』と書かれています。ルカが書いていることとは、少し状況が異なります。
またマタイの福音書では、ひとりの人がイエス様の御元にひざまずいてお願いしたことを書いています。
「ひとり息子の悪霊追い出し」の出来事も、三つの共観福音書を見比べながら、考えて行きたいと思います。》