◇◆◇日々のみ言葉
2017年10月31日(火)
◎聖書箇所 【ルカの福音書13章31節~33節】
13:31 ちょうどそのとき、何人かのパリサイ人が近寄って来て、イエスに言った。「ここから出てほかの所へ行きなさい。ヘロデがあなたを殺そうと思っています。」
13:32 イエスは言われた。「行って、あの狐にこう言いなさい。『よく見なさい。私は、きょうと、あすとは、悪霊どもを追い出し、病人を直し、三日目に全うされます。
13:33 だが、私は、きょうもあすも次の日も進んで行かなければなりません。なぜなら、預言者がエルサレム以外の所で死ぬことはありえないからです。』
◎ショートメッセージ
《「神の国にアブラハムやイサクやヤコブや、すべての預言者たちがはいっているのに、あなたがたは外に投げ出されることになったとき、そこで泣き叫んだり、歯ぎしりしたりするのです。人々は、東からも西からも、また南からも北からも来て、神の国で食卓に着きます。」
イエス様のこの言葉を聞いて、怒りに燃えた何人かのパリサイ人が近寄って来ました。ここでルカは、群衆に対してイエス様が話された「神の国」の教えが、その中に潜んでいたパリサイ人や律法学者たちに向けられていたことを、明確にしています。
さて、この数名のパリサイ人が、なぜイエス様にこのようなことを告げたのでしょうか。本当に、ヘロデがイエス様を殺そうとしていたのでしょうか。そのことを善意によって教えたと言うのでしょうか。
ルカは、後にこう書き記しているのです。
『それを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ねて、ヘロデの支配下にあるとわかると、イエスをヘロデのところに送った。ヘロデもそのころエルサレムにいたからである。
ヘロデはイエスを見ると非常に喜んだ。ずっと前からイエスのことを聞いていたので、イエスに会いたいと思っていたし、イエスの行なう何かの奇蹟を見たいと考えていたからである。(ルカの福音書23:6~23:8)』と書かれています。
このヘロデとは、ユダヤとガリラヤの国主ヘロデ・アンティパスのことです。主イエス様が、「狐」と言っているように、ずる賢い狡猾な人物で、バプテスマのヨハネを殺した悪王のことです。
ここでは、この王が、「イエス様を殺そうとしていた」、とは書かれてはいないのです。むしろ会いたいと思っていたと言うのです。興味を抱いていたと言うわけです。
よって、
「ここから出てほかの所へ行きなさい。ヘロデがあなたを殺そうと思っています。」
と数人のパリサイ人がイエス様に言ったことは、イエス様をその場所から追い出す口実であり、また国主ヘロデの権威ならば、イエス様も従うに違いない、と思ったからです。
イエス様は、すべての権威の上に立つお方なのです。
それゆえ、ご自身のミニストリーを続けることを宣言され、またエルサレムにおいて、十字架にかけられる為に進まれることを、彼らにはっきりと宣告されたのです。》