◇◆◇日々のみ言葉
2018年2月25日(日)
◎聖書箇所 【ルカの福音書19章12節~14節】
19:12 それで、イエスはこう言われた。「ある身分の高い人が、遠い国に行った。王位を受けて帰るためであった。
19:13 彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい。』
19:14 しかし、その国民たちは、彼を憎んでいたので、あとから使いをやり、『この人に、私たちの王にはなってもらいたくありません。』と言った。
◎ショートメッセージ
《イエス様は、エリコの取税人頭のザアカイの家にその日は泊まられたのです。そして夕食の食卓の席で、続けて一つのたとえを話されたのです。
「ある身分の高い人が、遠い国に行った。王位を受けて帰るためであった。」
これは、ローマ帝国が地中海世界を支配していた当時は、よくあった話でした。しかし、この話を聞いた人たちは、三十年ほど前に起こった一つの事件を思い出していたのではないでしょうか。
それは、紀元前四年にヘロデ大王が死ぬと、その遺言によって、その子アケラオが王位を継承することになっていたことです。けれども勝手に王位に着けるのではなく、ローマ皇帝の承認が必要でしたから、彼はローマに向かったのです。
ところが彼がローマに向かう少し前の過越の祭の時のことです。神殿の辺りで起こったある事件が切っ掛けとなって、アケラオの兵隊によって、ユダヤの人々が、三千人ほど殺されてしまいました。
そうしたことから、アケラオがローマにいる間に、五十人ほどの反アケラオ派のユダヤ人の指導者たちが、ローマ皇帝に謁見を求めて、ローマ総督によるイスラエル統治を求め、三千人を殺害したことなどを理由として、アケラオがイスラエルの王として不適格であることを認めさせたのです。
ところが結果的には、アケラオはローマ皇帝から、イドマヤ・ユダヤ・サマリヤの国主として認められ、彼の能力がそれを証明できたあかつきには、王としての称号を許可すると言う約束を取り付けて帰って来たのです。
その事をユダヤ歴史家ヨセフォスは、ユダヤ古代誌に書き記しています。
イエス様は、その実話に基づいて、ご自身のことを預言されているのです。
「ある身分の高い人」とは、神の御子であるイエス様を指し示しています。
そして「遠い国に旅立った」とは、「十字架と復活と昇天」を表わし、そして「王位を受けて帰る」とは、「再臨」を指しているのです。
「十人のしもべ」とは、主イエス様を信じる弟子たちを指し、その彼ら一人一人に一ミナを託して行くと言われるのです。
一ミナとは、ギリシャ通貨であり、ローマ通貨百デナリに相当します。一デナリとは、労働者が一日働いて得ることの出来る賃金を表わしていますので、百デナリとは、百日働いた賃金に相当するわけです。
「タラントのたとえ」でが、三人のしもべが、それぞれ五タラント、二タラント、一タラントと異なった金額を任されるのですが、この「ミナのたとえ」では、十人がそれぞれ同じ額である一ミナを預かることになります。
そして主人は命じます。
「私が帰るまで、これで商売しなさい。」と。
これは、十人のしもべ全員が、同じ環境の中で、いかに与えられた物を用いて主の栄
光の為に使うことが出来るか、が問われていることになります。》