◇◆◇日々のみ言葉
2018年3月2日(金)
◎聖書箇所 【ルカの福音書19章27節】
19:27「ただ、私が王になるのを望まなかったこの敵どもは、みなここに連れて来て、私の目の前で殺してしまえ。」
◎ショートメッセージ
《イエス様はあるたとえ話をされました。
「ある身分の高い人が、遠い国に行った。王位を受けて帰るためであった。
彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい。』
しかし、その国民たちは、彼を憎んでいたので、あとから使いをやり、『この人に、私たちの王にはなってもらいたくありません。』と言った。
「さて、彼が王位を受けて帰って来たとき、金を与えておいたしもべたちがどんな商売をしたかを知ろうと思い、彼らを呼び出すように言いつけた。」
イエス様は、イスラエルにおいて、実際に三十年ほど前に起こった一つの事件をあえて引用されたと思えるのです。
それは、紀元前四年にヘロデ大王が死ぬと、その遺言によって、その子アケラオが王位を継承することになっていたことです。けれども勝手に王位に着けるのではなく、ローマ皇帝の承認が必要でしたから、彼はローマに向かいました。
ところが彼がローマに向かう少し前の過越の祭の時のことです。エルサレムの神殿の辺りで起こったある事件が切っ掛けとなって、アケラオの兵隊によって、ユダヤの人々が、三千人ほど殺されてしまいました。
そうしたことから、アケラオがローマにいる間に、五十人ほどの反アケラオ派のユダヤ人の指導者たちが、ローマ皇帝に謁見を求めて、ローマ総督によるイスラエル統治を求め、三千人を殺害したことなどを理由として、アケラオがイスラエルの王として不適格であることを認めさせたのです。
ところが結果的には、アケラオはローマ皇帝から、イドマヤ・ユダヤ・サマリヤの国主として認められ、彼の能力がそれを証明できたあかつきには、王としての称号を許可すると言う約束を取り付けて帰って来たのです。エルサレムに戻って来たのです。
その事をユダヤ歴史家ヨセフォスは、ユダヤ古代誌に書き記しています。
さて本題に戻りましょう。
イエス様のたとえ話の最後が、今日のみ言葉となります。
「ただ、私が王になるのを望まなかったこの敵どもは、みなここに連れて来て、私の目の前で殺してしまえ。」
これは非常に厳しい言葉です。
実際に、イエス様は、ご自身を信じない人々に対して、このような厳しい態度を取るのでしょうか。
前にも書きましたように、イエス様はアケラオの例を引用して、この「一ミナのたとえ」を話されました。
つまり、まさにアケラオが、自分を訴えたユダヤの指導者たちに対して、行なったことを言われているのです。
このたとえを誰に向けて話されていますか。
ザアカイの家の外で、イエス様を見張っているパリサイ人や律法学者たちにです。彼らはユダヤの最高議会から遣わされた者たちです。
もちろん彼らは、イエス様に『イスラエルの王』に、なってもらいたくありません。自分たちの宗教的立場を守る為、何としてもイエス様を、この世界から排斥したいのです。
その彼らに裁きが来ます。それが紀元70年のエルサレム陥落の時なのです。この時、今日のみ言葉が成就することになります。
「ただ、私が王になるのを望まなかったこの敵どもは、みなここに連れて来て、私の目の前で殺してしまえ。」》