◇◆◇日々のみ言葉
2018年3月9日(金)
◎聖書箇所 【ルカの福音書19章41節~44節】
19:41 エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエスは、その都のために泣いて、
19:42 言われた。「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。
19:43 やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、回りを取り巻き、四方から攻め寄せ、
19:44 そしておまえとその中の子どもたちを地にたたきつけ、おまえの中で、一つの石もほかの石の上に積まれたままでは残されない日が、やって来る。それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。」
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からの学びとなります。
この記事は、ルカだけにしか書き記されてはいません。
そして、また次の記事もルカだけが書き記しているのです。
『「しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。
そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。いなかにいる者たちは、都にはいってはいけません。
これは、書かれているすべてのことが成就する報復の日だからです。
その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。この地に大きな苦難が臨み、この民に御怒りが臨むからです。
人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。(ルカの福音書21:20~21:24)』
このことは、紀元70年に、ローマ皇帝ティトスによって成就し、エルサレムのすべての城壁は崩されます。
詳しいことは、フィラフィウス・ヨセフォスのユダヤ戦記に載っています。一度、ローマ軍はエルサレムを完全に包囲します。もはや誰も城壁の外には出られなくなってしまうのです。
しかしある日突然、今まで包囲していたローマ軍の大隊が撤退するようなことが起こります。
そしてそれまで、エルサレムから一般市民が退去することを許さなかった熱心党の軍隊が、撤退したローマ軍を、ろばに乗って追いかけて奇襲をかけるのです。
その一瞬の時こそが、まさにイエス様が語られた預言の時なのです。
「そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。いなかにいる者たちは、都にはいってはいけません。」
エルサレム教会のクリスチャンたちは、エルサレムが最初にローマに囲まれた時、脱出の時を密かに伺っていたのです。
と言うことは、彼らはすでにマタイとマルコの共観福音書を、そして特にルカの福音書を手元に持っており、知っていたことになります。
そしてローマ軍は、またすぐに戻って来て、エルサレムを完全に包囲します。二度と撤退することはありませんでした。撤退してから戻って包囲するまで、数日間の出来事なのです。
なぜ突然、ローマ軍の大部隊が撤退したのかは、謎に包まれています。その時、エルサレムを包囲していたローマ軍に別の命令が下ったらしいのです。しかしどうやらその命令が誤報であったようで、後に撤退させた司令官はその責任を取らされます。
すべては神様の御手の中で起こった出来事です。それゆえイエス様の預言を信じて、山に逃げた初代教会のクリスチャンたちは、生きながらえることが出来たのです。
この預言を書き記したルカの功績は、まさに大きなものであったと言えるでしょう。しかしすべては、主の恵みであり哀れみなのです。》