◇◆◇日々のみ言葉
2018年6月7日(木)
◎聖書箇所【ルカの福音書23章1節】
23:1 そこで、彼らは全員が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
◎ショートメッセージ
《今日から、ルカの福音書23章の学びとなります。
ここで言う「彼ら」とは、ユダヤ最高議会であるサンヘドリンの議員たちです。この会議は、何と安息日の真夜中に行なわれているのです。まさに律法違反の何ものでもありません。
サンヘドリンの議員は七十人であって、律法学者たちパリサイ人が半数、そして祭司長たちサドカイ人が半数、そして議長が大祭司であり、挙手が同数となった場合には、最後は大祭司が決定することになります。
この時の会議では、あまりに急を用した為に、議員全員は揃わなかったようです。またイエス様に好意的な、アリマタヤのヨセフやニコデモは外された感がしないでもありません。
何度も言います。
この時はまだ真夜中です。当然ローマ総督ポンテオ・ピラトはまだ休んでいるはずです。それでなくとも、ユダヤ最大の祭りである「過越の祭」が始まって、ユダヤ愛国主義の熱心党員たちが、いつ暴動を起こすのか、ぴりぴりしているのに、なぜ真夜中にサンヘドリンが、囚人を自分の元に送って来るのでしょうか。ピラトにとっては、迷惑の何ものでもないのです。
ユダヤ最高議会は、ユダヤ人を死罪にする権限はないと彼らは謳っていますが、これも真っ赤な嘘偽りであって、彼らは密かに「石打ちの刑」を執行していたのです。
しかしそれでは、見せしめにはなりませんし、彼らはイエス様を信じ従っている者たちを恐れて、自分たちの手を汚すことなく、敵国であるローマ人を利用して、イエス様を処刑させようと考えていたわけです。
何と言う狡猾さなのでしょうか。彼らは、唯一の神様に仕えているはずなのに、まことの神様の御子であるお方を、ダビデによって約束されたメシヤなるお方を、異邦人であるローマ人の手に渡そうとしているのです。
ここにも真理があります。
イエス様は、ユダヤ人の為のメシヤとして来られたのです。ユダヤ人として生まれ、ユダヤ人として忠実に律法を守り、ご自分の民である人々に、多くのいやしや奇蹟の恵みを施されました。それにもかかわらず、ユダヤを代表するサンヘドリンは、このお方を異邦人であるローマ人に渡したのです。
この時から、良き知らせである福音は、ユダヤ人の手から離れて、異邦人へと移ることになって行きます。
イエス様は、これから十字架にかけられようとしています。十字架刑はローマ総督でなければ、執行することが出来なかったことも事実です。なぜならそれは反逆罪に対する見せしめの処罰であったからです。
ローマ帝国反逆罪としてイエス様を処刑させる為に、大祭司カヤパが自ら先頭に立って、ピラトの常駐している場所、アントニヤ要塞にイエス様を連れて行ったわけです。》