◇◆◇日々のみ言葉
2019年1月9日(水)
◎聖書箇所【使徒の働き7章2節~5節】
7:2 そこでステパノは言った。「兄弟たち、父たちよ。聞いて下さい。私たちの父祖アブラハムが、カランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現われて、
7:3 『あなたの土地とあなたの親族を離れ、私があなたに示す地に行け。』と言われました。
7:4 そこで、アブラハムはカルデヤ人の地を出て、カランに住みました。そして、父の死後、神は彼をそこから今あなたがたの住んでいるこの地にお移しになりましたが、
7:5 ここでは、足の踏み場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。それでも、子どももなかった彼に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。」
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。
昨日からステパノのメッセージについて学んでいます。今日から、その内容について考えて見たいと思います。
まずステパノは、ユダヤ人たちが一番良く知っているアブラハムについて、話始めました。
ユダヤ人の男性が大人になるには、バル・ミツバの試験を受けなければなりませんでした。それは13才の時に行なわれ、モーゼ五書をすべて暗唱出来るかどうかが問われたのです。
当時は、当然今のように、一人一人が聖書を持つことが許されませんでした。また聖書は羊皮紙の巻物として、シナゴークや著名なラビや律法学者の家に厳重に保管されて、誰もが自由に見ることは出来なかったのです。
よって、ラビが試験を受ける子供たちにモーゼ五書を教えるには、まさに口伝であったのです。考えて見ますと、アダムから始まってアブラハムを経て、出エジプトまでに至る歴史は、モーゼがその書を書き記すまでは、すべてが口伝えによって伝承されていたわけです。
また、アブラハムこそは、パリサイ人や律法学者たちに取って、父なる存在であったからです。まさに信仰の父なのです。
ヨハネの福音書によりますと、
『ユダヤ人たちはイエスに言った。
「あなたが悪霊につかれていることが、今こそわかりました。アブラハムは死に、預言者たちも死にました。しかし、あなたは、『だれでも私の言葉を守るならば、その人は決して死を味わうことがない。』と言うのです。
あなたは、私たちの父アブラハムよりも偉大なのですか。そのアブラハムは死んだのです。預言者たちもまた死にました。あなたは、自分自身をだれだと言うのですか。」(ヨハネの福音書8:52~8:53)』と、書かれています。
まずステパノは、アブラハムにあって、ユダヤ人としての兄弟に、そしてラビとして、民の長老として、そして祭司長としての「父」として、親しみと尊敬を持ってこのメッセージを始めたのです。
ここには、彼らに対する憎しみや怒りではなく、真に「主イエス・キリスト」こそが、神様の御子であること、そして救い主であることを、順序立てて証しているのです。》