◇◆◇日々のみ言葉
2019年6月11日(火)
◎聖書箇所【使徒の働き12章13節~16節】
12:13 彼が入口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。
12:14 ところが、ペテロの声だとわかると、喜びのあまり門を開けもしないで、奥へ駆け込み、ペテロが門の外に立っていることをみなに知らせた。
12:15 彼らは、「あなたは気が狂っているのだ。」と言ったが、彼女は本当だと言い張った。そこで彼らは、「それは彼の御使いだ。」と言っていた。
12:16 しかし、ペテロはたたき続けていた。彼らが門を開けると、そこにペテロがいたので、非常に驚いた。
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。
今日は、この箇所から非常に大切な真理を学びます。
女中ロダは、喜びのあまり気が動転して、門を開けると言う、とても大切なことを忘れて、喜びの訪れを伝える為に、また家の中に入ってしまい、兄弟たちにそのことを伝えました。そして、なかなか戻って来ないのです。
まず、その時のシモン・ペテロの気持ちから考えて見たいと思います。ペテロは、本当に奇跡的に、「死」から助け出されました。彼は、「過越の祭」が終わる前日になった時、これから自分に何が起こるのかを予測しており、覚悟していました。
この時、すでに愛する十二使徒の一人、ゼベタイの子の兄のヤコブは、国主ヘロデ・アンティパスに捕らえられ、剣によって刺し殺されていました。そして次は、間違いなく自分の番になります。
今回、ヘロデは、すぐに剣で刺し殺すと言う方法ではなく、民衆の前に引き出して、嘲笑したあげく、十字架につけるか、あるいはユダヤ人の指導者たちに引き渡して、ステパノのように石打の刑に処するか、もっともユダヤ人たちの喜ぶ方法を思い巡らしていたに違いないのです。おそらくその旨は、ペテロにも伝えられていたはずです。
彼らが敵対している「イエスの御名を信じる者たち(クリスティアノス)」の指導者のトップであるペテロを、血祭りにあげることによって、ユダヤ人たちの好意と賞賛を得ようとしていたからです。
その為に、ヘロデは可能な限りの厳重な警備体制を施しました。4人一組の兵士4組を、24時間の監視につけたのです。そればかりではありません。ペテロが幽閉されている牢に行くまでには、二つの厳重な衛所が設けられたのです。
そこからペテロは御使いによって助け出されました。普通、そんな状況に置かれた場合は、今頃牢では大騒動になって、追っ手が何時やって来るか、あるいは、また捕らえられてしまうのか、恐れと不安が付きまとっていたに違いありません。
彼は、エルサレム市内の可能な限りの近道を選んでヨハネ・マルコの家に辿りついたのです。
「ここまで来れば、もう大丈夫」と思い、門の戸をたたいたのです。女中ロダが出て来ました。
「これでもう安心だ。中に入れる。」
と思ったのもつかの間、ロダは引っ込んでしまうのです。門の外に残されたペテロの気持ちは、いかばかりであったでしょうか。
彼はたたき続けます。
そしてようやく弟子の兄弟たちが出てきます。兄弟たちは、門の外にいるペテロを見て非常に驚くのです。》