◇◆◇日々のみ言葉
2019年9月7日(土)
◎聖書箇所【使徒の働き15章34節】
15:34 [本節欠如]しかし、シラスはそこに留まることに決めた。
◎ショートメッセージ
《さて、エルサレム教会を後にしたパウロとバルナバ、そして主の兄弟ヤコブと十二使徒たちによって遣わされたユダとシラスとの一行は、アンテオケに下り、無事に教会にたどり着きました。
彼らは教会の人々を集めて、ヤコブたちから預かった手紙を手渡しました。
『それを読んだ人々は、その励ましによって喜んだ。』と、ルカは書き記していますが、一人一人が手紙を回して読むよりも、一人が代表となって、大きな声で読んだ方が効率的ですし、また皆が同じ言葉を聞きますから、誤解や聞き逃しの確率が少なくなることは、言うまでもありません。
聖書には書かれてはおりませんが、教会の責任者となった指導者のひとりか、もしくは、やはり一番の貢献者である「慰めの子」と呼ばれたバルナバが、その巻物の書簡を紐解いて、皆に読んで聞かせたと私は思うのです。
ここで一つ疑問が起こります。この手紙は何語で書かれてあったのかと言うことです。
もちろん確定は出来ませんが、アンテオケ教会は異邦人中心の教会ですから、やはり公用語であるギリシャ語ではなかったのではないでしょうか。
しかし、主の兄弟ヤコブもシモン・ペテロもギリシャ語は話せなかったことは、ほぼ間違いないことです。
ペテロは、ガリラヤ湖の一介の漁師であり、またヤコブは、兄イエスの仕事を手伝う大工であったからです。様々な言語が飛び交うような、国際都市育ちではないのです。
さて、バルサバ(別名ユダ)も、シラス(別名シルワノ)も預言者であったので、多くの言葉をもって兄弟たちを励まし、また力づけました。
そして彼らは、しばらくアンテオケに滞在した後、兄弟たちの平安の言葉に送られて、エルサレム教会に帰って行ったのです。
そして、15章34節です。
この節は、異本には書き記されていますが、権威的な写本(マソラ)本文には、掲載されてはおりません。それゆえ括弧付けとなっています。
『しかし、シラスはそこに留まることに決めた。』
なぜシラスは、アンテオケ教会に留まることを決めたのでしょうか。それは、彼がパウロと同じく、ローマ市民であったからではないでしょうか。
エルサレム教会では、おもにユダヤの公用語であるアラム語、そしてヘブル語が普段使われていますが、アンテオケ教会はギリシャ語なのです。
これも私の勝手な推測ですが、シラスは、頭の中では、ギリシャ語で思考していたのではないでしょうか。
あともう一つ考えられる理由は、パウロと言う人物に、その人間性に惹かれたのではないでしょうか。それだからこそ、アンテオケに留まることを決意したのではないでしょうか。
さて、明日で使徒の働き15章も終えることになります。》