◇◆◇2020年5月17日 第三主日礼拝
◎本日の聖書箇所【使徒の働き1章12節~14節】
1:12 そこで、彼らはオリーブという山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムの近くにあって、安息日の道のりほどの距離であった。
1:13 彼らは町にはいると、泊まっている屋上の間に上がった。この人々は、ペテロとヨハネとヤコブとアンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨの子ヤコブと熱心党員シモンとヤコブの子ユダであった。
1:14 この人たちは、婦人たちやイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちと共に、みな心を合わせ、祈りに専念していた。
◎メッセージの概要【屋上の間において】
《主イエス様は、弟子たちに預言されたように、オリーブ山において、天に上って行かれました。何時までも天を見上げているゆえ、二人の御使いが来て、彼らに「主イエスの再臨」のメッセージを語ったのです。それを聞いた弟子たちは、オリーブ山からエルサレムに戻って行きました。「安息日の道のり」とは、律法学者が、民数記から、安息日の歩行距離は決めたのです。民数記によりますと、町の外側に、町を真中として東側、南側、西側と北側それぞれに2,000キュビトを測れ、と命じられているからです。そして1キュビトは45cmですから、900メートルとなります。今でも、ユダヤ人は、土曜日に守っているようです。
さてルカは、帰路に着く十一弟子たちが、非常な喜びを抱いてエルサレムに帰り、いつも宮にいて神をほめたたえていた、と書き記しています。その喜びとは、真に主イエス様が、神の御子キリストであり、救い主である事を、自分たちの目で目撃し確信したからです。
彼らはエルサレム市内に入りますと、、泊まっている屋上の間に上がりました。ところで、この場所はどこなのでしょうか。
イエス様が十字架にかけられる前日の木曜日、主は一日早く過越の食事を弟子たちと共にされようとしました。
マルコによりますと、
『種なしパンの祝いの第一日すなわち過越の小羊をほふる日に、弟子たちはイエスに言った。
「過越の食事をなさるのに、私たちは、どこへ行って用意をしましょうか。」
そこで、イエスは、弟子のうちふたりを送って、こう言われた。
「都にはいりなさい。そうすれば、水がめを運んでいる男に会うから、その人について行きなさい。そして、その人がはいって行く家の主人に、『弟子たちと一緒に過越の食事をする、私しの客間はどこか、と先生が言っておられる。』と言いなさい。するとその主人が自分で、席が整って用意のできた二階の広間を見せてくれます。そこで私たちの為に用意をしなさい。」弟子たちが出かけて行って、都にはいると、まさしくイエスの言われたとおりであった。』と書き記されています。伝承では、ヨハネ・マルコの家であるとされています。ここに出て来ます主人とは、マルコの父親に当たります。
次にルカは、十一使徒の名前を書き記しています。この書き方は共観福音書に書かれています書き方と違っています。良く見ますと、二人一組になっています。これこそが、主イエス様が十二使徒を二人ずつ6組に分けたチームなのです。その証拠は、過越の食事の準備に主イエス様が遣わされた二人は、ルカによればペテロとヨハネなのです。そればかりではありません。その後、「美しの門」において生まれつき足のきかない男をいやしに導いた二人が、同じくペテロとヨハネなのです。
さて二人ずつの名前を見ますと、一番最後は「アルパヨの子ヤコブと熱心党員シモンとヤコブの子ユダ」と三人の名前が挙げられています。ヤコブの子ユダだけが実は一人なのです。 ここから、かつてイスカリオテのユダとチームを組んでいたのが、ヤコブの子ユダであった事が分かります。この後ペテロは、抜けたイスカリオテのユダの後継者を選出することになりますが、これは伝道と宣教は、二人一組で行なうことを意味しています。
最後に、『この人たちは、婦人たちやイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちと共に、みな心を合わせ、祈りに専念していた。』とルカは簡潔に書き記していますが、ここに主イエス様の兄弟姉妹が同席している事実が書き留められています。実の兄であるイエス様を信じて、彼らがクリスチャンになった事は、主が復活された後のことだからです。
これは推測にしか過ぎませんが、主は復活された後、40日の間に、母マリヤと、すぐ下の弟ヤコブを始め、ご自分の弟たちと妹たちに、生きておられる姿を現わされたことは、ほぼ間違いないことです。》