◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月17日(日)
◎聖書箇所【使徒の働き26章24節~25節】
26:24 パウロがこのように弁明していると、フェストが大声で、「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている。」と言った。
26:25 するとパウロは次のように言った。「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理の言葉を話しています。」
◎ショートメッセージ
《「こうして、私はこの日に至るまで神の助けを受け、堅く立って、小さい者にも大きい者にもあかしをしているのです。そして、預言者たちやモーセが、後に起こるはずだと語ったこと以外は何も話しませんでした。すなわち、キリストは苦しみを受けること、また、死者の中からの復活によって、この民と異邦人とに最初に光を宣べ伝える、ということです。」
すると突然、ローマ総督フェストが大声をだし、パウロの弁明を中断したのです。
「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている。」
ところで、フェストがアグリッパ王とベルニケを呼んだ理由は何でしたか。パウロによる弁明が始まる前に、フェストはこのように申し出たのです。
『「アグリッパ王、ならびに、ここに同席の方々。ご覧下さい。ユダヤ人がこぞって、一刻も生かしてはおけないと呼ばわり、エルサレムでも、ここでも、私に訴えて来たのは、この人のことです。
私としては、彼は死に当たることは何一つしていないと思います。しかし、彼自身が皇帝に上訴しましたので、彼をそちらに送ることに決めました。
ところが、彼について、わが君に書き送るべき確かな事がらが一つもないのです。それで皆さんの前に、わけてもアグリッパ王よ、あなたの前に、彼を連れてまいりました。取り調べをしてみたら、何か書き送るべきことが得られましょう。囚人を送るのに、その訴えの個条を示さないのは、理に合わないと思うのです。」(使徒の働き25:24~25:27抜粋)』と。
つまり「罪状書き」なのです。何の罪で訴えられ、そして何の為に皇帝に直訴するのか、と言うことを詳しく書き送る為なのです。
しかし、その思惑は外れてしまい、パウロは何とアグリッパに伝道し始めたのです。さすがに頭脳明晰なフェストはそのことを察して、ストップをかけたのでした。フェストにしてみれば、「死者の復活」などは、まったく理解出来るものではありませんし、また興味がなかったからです。
アテネの哲学者は、人が死んだ後には、すべてが無となって消えてしまうと考えていました。
それだからこそ、生きている間に大いに楽しもう、と言うことになり、ローマ市民はあらゆる快楽を追求し、貴族も一般市民も廃退的な生活を送っていたのです。
また、フェストは多少ユダヤ人の宗教や文化の知識を持っていましたが、このような宗教論争は、彼にしてみれば、退屈の何ものでもなかったからです。
それゆえ、ストップさせる為に、パウロを気狂い扱いしたわけです。
しかしパウロは、
「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理の言葉を話しています。」と続けるのです。》