◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月18日(月)
◎聖書箇所【使徒の働き26章26節~27節】
26:26「王はこれらのことをよく知っておられるので、王に対して私は率直に申し上げているのです。これらのことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも王の目に留まらなかったものはないと信じます。
26:27 アグリッパ王。あなたは預言者を信じておられますか。もちろん信じておられると思います。」
◎ショートメッセージ
《「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている。」
「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理の言葉を話しています。」
ローマ総督フェストは、パウロの弁明をさえぎって叫びました。なぜならパウロは弁明ではなく、アグリッパに対して伝道していたからです。
しかしそんなことで、ひるむはずもないパウロは、さらに続けようとします。
「王はこれらのことをよく知っておられるので、王に対して私は率直に申し上げているのです。これらのことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも王の目に留まらなかったものはないと信じます。」
アグリッパ王とは、悪王であったヘロデ大王のひ孫にあたり、ヘロデ・アグリッパ一世の息子として、紀元27年に生まれました。
紀元27年と言えば、主イエス様が十字架にかけられた頃とほぼ一致します。この弁明の時、すなわち紀元59年には、パウロは55歳頃であり、アグリッパに至っては、おそらく33歳頃であったかと思われます。
よって、アグリッパは直に主イエスとは面識がないことは当然です。またサウロがエルサレムにおいて、ナザレ派の者たちを迫害して頃は、まだ幼子ですし、ローマの宮殿て育てられていたのです。
それゆえ、パウロが言っていますことは、アグリッパは、単なる知識としてしか、「ナザレ派」については知っていないことになるのです。
パウロはさらに続けます。
「アグリッパ王。あなたは預言者を信じておられますか。もちろん信じておられると思います。」
ここでパウロが言っています「預言者」とは、具体的に預言者の誰であるのかではなく、旧約聖書のことを指しています。当時のユダヤ人は、旧約聖書のことを「律法と預言者」と呼んでいたからです。
もちろんアグリッパは、ユダヤ人が大切にしているトーラーについては知っていたはずです。自分が治める国の国民が、何を基準として生きているのか、それを知らなければ、統治は難しいからです。
パウロは、聖霊に満たされて、アグリッパと妹ベルニケに「悔い改め」を迫っているのです。バプテスマのヨハネが、ヘロデ・アンティパスとその妻ヘロデヤにしたように。》