◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月24日(日)
◎聖書箇所【使徒の働き27章4節~6節】
27:4 そこから出帆したが、向かい風なので、キプロスの島陰を航行した。
27:5 そしてキリキヤとパンフリヤの沖を航行して、ルキヤのミラに入港した。
27:6 そこに、イタリヤへ行くアレキサンドリヤの船があったので、百人隊長は私たちをそれに乗り込ませた。
◎ショートメッセージ
《使徒の働き27章は、パウロとルカとアリスタルコの一行がローマに行く船旅の場面に入っています。
パウロ一行を乗せた船は、カイザリヤを出航し、翌日順調にシドンに入港しました。この船は、アドラミテオ港に基地を持つ船で、アジヤの沿岸の各地に寄港して行く、今で言えば「各駅停車」の船であったわけです。
シドンでは、百人隊長ユリアスがパウロを親切に取り扱い、友人たちの所へ行って、もてなしを受けることが許可されました。もちろん友人とは、シドンに住んでいる主にある兄弟姉妹のことです。
さて、船荷の積み卸しも終わり、シドンからルキヤのミラを目指し、船は出航しました。当時の船は帆船でしたが、15・16世紀の「大航海時代」の完成された帆船ではありませんでしたから、向かい風では進むことが出来なかったのです。
船はなんとか風をよけながらキプロスの島陰を航行し、キリキヤとパンフリヤの沖を通って、ミラにたどり着くことが出来ました。
ここに登場するミラとは、小アジヤ南西部ルキヤ地方の港町のことです。現在のデムブレに相当します。パウロは、第三回伝道旅行の帰路、エルサレムに向かう途上に立ち寄ったと伝えられています。
当時、町の中心部は3キロほど内陸の岩壁の上にありました。地中海との接点はアンドリアカ港です。港から町の中心部まではかなり離れていたのです。
この町はエジプトとローマとの通商において非常に重要視されました。エジプトのアレキサンドリヤを出発した船は、偏西風を利用して地中海を北上し、まず最初にミラのアンドリアカに入港したからです。
さて、ちょうど、イタリアに行くアレキサンドリヤの船が寄港していました。この船は、ローマへの直行便であったようです。それを知った百人隊長ユリアスは、部下と囚人たちに、船を乗り換えることを命じました。これが分かれ目でした。
もし、ローマへの直行便に乗り換えないで、アドラミテオの船で各港を巡っていたとしたら、何の危険もおかさず、しかも早く、かつ安全にローマに到着したのではないでしょうか。
もちろん私たち主イエスの御名を信じる者には、「もし」と言うことはありませんが、節目節目に、主の御心を求めることが必要であることは言うまでもありません。
パウロに取っては、主が預言者を通して明確なしるしを示されたにも関わらず、エルサレム行きを強行したことが、大きなわざわいとなってしまったのです。
しかし、そのすべてを益として、変えて下さるお方がおられることも事実です。》