◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月1日(月)
◎聖書箇所【使徒の働き27章21節~22節】
27:21 だれも長いこと食事をとらなかったが、そのときパウロが彼らの中に立って、こう言った。「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。
27:22 しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。」
◎ショートメッセージ
《太陽も星も見えない日が幾日も続き、激しい暴風が吹きまくり、船は翻弄され、ついに乗っている者276名の助かる最後の望みも絶たれようとしていた時のことです。
突然、パウロが立ち上がりました。うなだれて死を待つだけになっていた人々に向かって、彼は力強く語りかけたのです。
「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。」
クレテ島の「良い港」に、イタリヤ行きのアレキサンドリヤの船がたどり着いた時に、パウロはこのように忠告したのです。
「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます。」
ローマ親衛隊百人隊長ユリアスは、パウロのこの言葉よりも、船長および航海士の意見を尊重したのでした。彼らは、あの時にパウロが語った言葉を思い返していました。おそらく、後悔と自責の念が沸き起こって来たに違いありません。
責められ、さらにどん底に落とされるのが普通ですが、しかし、次にパウロが語った言葉は、絶望と失望ではなく、まさに希望を与えるものであったのです。
「しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。」
パウロは確信に満ちた表情と言葉を用いて、力強く語りました。ここがクリスチャンとノンクリスチャンとの決定的な違いです。主イエスを信じる者と、信じていない者と。
なぜなら、すべてのことは、主の御手の中において行なわれていることだからです。まことに世界を治めておられるのは、御子、主イエス様であるからなのです。
ルカは、「だれも長いこと食事をとらなかった」と書き記していますが、百人隊長ユリアスも船長および航海士たちも、何とか船を陸や岸につけようとして、また沈まないようにする為に、食事を取ることも忘れていたのです。彼らは、肉体的にも精神的にも、もはや限界に達していたのです。
その時、絶妙のタイミングで、パウロは話を始めたわけです。つまり人々は、ようやくパウロの語る言葉に耳を傾けると言う状況が整ったと言うことなのです。》