◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月15日(月)
◎聖書箇所【使徒の働き28章11節】
28:11 三か月後に、私たちは、この島で冬を過ごしていた、船首にデオスクロイの飾りのある、アレキサンドリヤの船で出帆した。
◎ショートメッセージ
《パウロは、マルタ島のローマ総督にあたるポプリオの父の病をいやしてやりました。
そのうわさは、たちまち島中に広まり、島の人々は、他の病人たちをパウロの元に連れて来ました。そして直してもらったのです。ルカとアリスタルコも手伝ったはずです。
そのことがあって、島の人々は、「私たち(パウロ一行)を非常に尊敬し、私たちが出帆する時には、必要な品々をたくさん用意してくれた」ことを、ルカは証しています。
さて、船が座礁してから三ヶ月が経ちました。ルカは一言でしか書き記してはいませんが、この三ヶ月は、航海が出来るまでの待機の時であると同時に、主イエスの御名によるいやしの奇跡を通して、救われた主にある兄弟姉妹たちの為に備えられた時でもあるのです。この貴重な時間に、パウロとルカとアリスタルコは出来る限り分担しながら、教理と真理を教えたのではないでしょうか。
もちろんローマ親衛隊百人隊長ユリアスと兵士たちも、学んだに違いありません。なぜなら御使いは、明確にパウロに約束したからです。
『「恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。」(使徒の働き27:24抜粋)』と。
地中海は、真冬の季節は海が荒れ、航海には非常に危険な時期であり、船は港に停泊して冬をやり過ごすことが、当時の常識でした。幸いにも、パウロたちが座礁する前に、すでにマルタ島にて冬を過ごしていたアレキサンドリヤの船が停泊していたのです。
パウロ一行を乗せていた船も同じアレキサンドリヤ出身でしたし、よって船長や航海士たちは、向こうの船長や乗組員たちと顔見知りであったことは、十分あり得ることなのです。
船首に「デオスクロイ」の飾りとは、ギリシャ神話に出てくるゼウスの息子たちで、双子の兄弟カストルとポルクスのことです。彼らは、ふたご座の1等星と2等星になったと言われています。当時のスパルタ地方では、船乗りの守護神とされていました。
ところで、座礁した船には全部で何人が乗船していましたか。何と276人です。この人数が全員乗れてしまうのですから、マルタ島に停泊していたアレキサンドリヤの船は、まさに大型豪華客船と言った具合ではないでしょうか。
さて、気候の良い場所で、三ヶ月にもわたって冬を過ごしたパウロ一行は、再びローマへの旅路についたのです。》