◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月16日(火)
◎聖書箇所【使徒の働き28章12節~13節】
28:12 シラクサに寄港して、三日間とどまり、
28:13 そこから回って、レギオンに着いた。一日たつと、南風が吹き始めたので、二日目にはポテオリに入港した。
◎ショートメッセージ
《座礁した船に乗っていた278名は、マルタ島で三ヶ月間にわたって冬を過ごしました。 パウロとルカとアリスタルコは、ただ何もせずに怠惰な生活を送ったのではありません。パウロの言葉と導きによって、救われて間もない主にある兄弟姉妹を養育していたのです。
ちょうどその頃、アレキサンドリヤの船で、船首にデオスクロイの飾りのある船が、マルタ島の港で冬の期間を過ごしていました。その船に乗り換えて、再びローマを目指すことになったのです。
航海が解禁されるやいなや、パウロ一行を乗せた船は出帆します。
「シラクサ」とは、シシリー島の東南部の港町のことです。古くはフェニキヤ人が住み着いていましたが、紀元前735年頃にアルキアスに指導されたコリント人およびドーリア人の植民によりギリシヤ化され、繁栄したのです。
紀元前415年頃から断続的に攻め寄せたアテネの艦隊を迎え撃ち、紀元前412年には完全に敵を放逐したと伝えられています。
しかし、ローマは紀元前241年にこの島の西部を制圧し、紀元前214~212年にシラクサを含む東部も占領しました。それ以後はローマの執政官が統治します。紀元前5世紀に作られた神殿、岩山をくりぬいて作った半円形の劇場跡が残っており、かつての隆盛期をしのぶことができます。
パウロはローマへ護送される途中この地に立ち寄り、三日を過ごして後、メッシナの対岸にあるレギオンへと進みます。
「レギオン」とは、イタリヤ半島の南西端にあったギリシヤ人の植民地のことです。幅約10キロのメッシナ海峡をはさんでシシリー島のメッシナ(メッサナ)と相対しています。現在の名はレッジョ・ジ・カラブリヤで、オレンジやレモンとぶどう酒などの積み出し港となっています。
古い伝説によりますと、そこには船乗りたちが恐れた女怪物シラが住んでいたと伝えられています。
そして二日後に「ポテオリ」に入港したのです。
「ポテオリ」とはラテン語で「泉」という意味です。イタリヤ半島ナポリ湾の北岸にある町のことです。今現在もナポリ市の西方にポツオリと呼ばれる漁村が残っています。
パウロ一行はここに上陸し、下船しました。ポテオリにはすでにクリスチャンが住んでおり、百人隊長ユリアスの計らいによって1週間の滞在が許されました。
この地からカプアないしフォルミカまで進みますと、首都ローマに向かってよく整備されたアッピヤ街道に合流します。
ポテオリは、紀元前520年頃に建設された港町で、ローマ時代、エジプトや東方からの旅行者は、この港で上陸するのが普通でした。
周辺には火山が多く、そこから得られる火山灰は、セメントの素材として活用されたのです。》