◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月27日(土)
◎聖書箇所【マタイの福音書1章1節】
1:1 アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図。
◎ショートメッセージ
《今日から、日々のみ言葉は、マタイの福音書からとなります。
この福音書の著者が誰であるのかは、この書の中には、はっきりと明示されてはいませんが、二世紀以後、伝承では使徒マタイであると言われて来ました。この事を裏付ける証拠として次のような点を挙げることが出来ます。
一つ目は、マタイが主イエス様によって召命される記事において、マルコとルカの福音書では「レビ」と言う名前で書き記されているのに対し、この書では「マタイ」と言う名前があえて用いられている点に有ります。
彼は、主イエス様の召命を受けたことにより、ユダヤ人にありふれた「レビ」と言う名前から、「神の賜物」と言う意味である「マタイ」と言う名前に意識的に変えたのではないかと思われるのです。
二つ目は、マタイは取税人でした。おそらくカペナウムの取税人の頭であったと思われます。父はアルパヨで、弟はヤコブです。このヤコブも十二使徒の一人となりました。 マタイは取税人の職業上、当時通常に用いられていたアラム語だけでなく、ギリシャ語も知っており、また様々なことを記録することに慣れていました。よってこの福音書を書く資格は十分にあったと思われるのです。
三つ目は、この福音書には「金銭問題」に関する記事が詳細にわたって書き記されている事です。このことから、著者が取税人であることは、間違いないと思われるのです。
以上の点から、レビすなわちマタイが著者であることは、疑いのないことです。
さて、何時書かれたかと言いますと、いろいろな説が有ります。ある者は紀元50年代、または紀元60年代、紀元80年から90年と主張しています。
しかし、ルカの福音書が紀元59年から60年にかけて、ローマで書かれたことは、ほぼ間違いなく、この時、パウロとルカの手元にマルコとマタイの福音書の写しがあった可能性は高いとすれば、紀元50年代とするのが、最も妥当であると思われます。
執筆場所は「パレスチナ」のどこかであるようです。古代の教会史家エウセビオスによりますと、ユダヤ人をターゲットに伝道していたマタイが、異邦人伝道の為にユダヤを去るのに際し、後に残される主にある兄弟たちに、彼の不在を補う為に、この書を書いた事を述べています。
しかしギリシャ語で書かれている為、ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者が共存していた「アンテオケ」であると主張する者もいます。私もその説が正しいと思えるのです。
さて明日も同じ箇所からとなります。》