◎本日の聖書箇所【使徒の働き4章1節~7節】
4:1 ペテロとヨハネが民に話していると、祭司たち、宮の守衛長、サドカイ人たちが二人のところにやって来た。
4:2 彼らは、二人が民を教え、イエスを例にあげて死者の中からの復活を宣べ伝えていることに苛立ち、
4:3 二人に手をかけて捕らえた。そして、翌日まで留置することにした。すでに夕方だったからである。
4:4 しかし、話を聞いた人々のうち大勢が信じ、男の数が五千人ほどになった。
4:5 翌日、民の指導者たち、長老たち、律法学者たちは、エルサレムに集まった。
4:6 大祭司アンナス、カヤパ、ヨハネ、アレクサンドロと、大祭司の一族もみな出席した。
4:7 彼らは二人を真ん中に立たせて、「おまえたちは何の権威によって、また、だれの名によってあのようなことをしたのか」と尋問した。
◎メッセージ【ユダヤ最高議会において】
《ペテロとヨハネは、最近新しく教会に加えられたユダヤ人の兄弟たちに、主イエスのみ言葉と真理を教える為に、「ソロモンの回廊」にやって来ました。「美しの門」に置かれていた物乞いの青年もいやされ、二人と共にいます。すると、その噂を聞きつけた大勢のユダヤ人たちが集まって来ました。二人は、主イエスの復活の証人として、力強く証ししたのです。 そこへ祭司たちや、宮の守衛長がやって来たのです。ここは神殿内ですから、大勢のサドカイ人がいます。実は、当時のエルサレムにありますユダヤ最高議会(地方法院)は、二つの勢力に分かれていました。過半数はサドカイ人、そしてもう過半数はパリサイ人です。しかし、最終的に決議決定するのは、議長であった大祭司なのです
サドカイ人とは、サドカイ派に属する者たちのことです。その多くは、祭司家系に連なる裕福な上流階級でした。彼らは宗教的指導者であると同時に、政治的指導者でもあったのです。彼らは体のよみがえり、罰と報い、御使いや霊の存在を否定していたのです。彼らはパリサイ人と違って「モーセ五書」だけに中心をおき、五書に記された律法にのみ最終権威を認めていたからです。
神殿にいた祭司長たちは、守衛長に命じてペテロとヨハネを捕らえたのです。その理由は「イエスの復活」を宣べ伝えていたからです。二人は翌日まで留置される事になります。 しかし、何と言う恵みでしょうか。この時の奇跡とペテロのメッセージを通して、二千人の弟子が加えられることになるのです。
さて、翌日ユダヤ最高法院が招集されました。ルカは、この議会にエルサレム中の議員や民の指導者たち全員が集まったと書き記しています。特に驚くべきことは、主イエスを十字架にかけた張本人である大祭司たちが全員集まったことです。
主イエスの最初の裁判を行なったアンナス、そして主イエスを葬り去る事を決議した現大祭司カヤパ、次期候補のヨハネ、アレクサンドロと一族までもが顔を連ねたわけです。
かつて主イエスが、たった一人で立たされた被告席に、今度はペテロとヨハネが立たされています。実は使徒の中でこの二人だけが、主イエスの裁判を見届けたのです。
かつて主イエスは弟子たちにこのように預言されました。
「あなたがたは用心していなさい。人々はあなたがたを地方法院に引き渡します。あなたがたは彼らに証しするのです。人々があなたがたを捕らえて引き渡すとき、何を話そうかと、前もって心配するのはやめなさい。ただ、そのときあなたがたに与えられることを話しなさい。話すのはあなたがたではなく、聖霊です。」と。この預言が今成就するのです。
「おまえたちは何の権威によって、また、だれの名によってあのようなことをしたのか。」
「何の権威」によって。
主イエス・キリストの権威です。
主は弟子たちにこのように言われて、昇天されました。
「私には天においても地においても、すべての権威が与えられています。」
「誰の名」によってか。
主イエスの御名によってです。
主は弟子たちに、ご自分の名によって求めることを教えられました。
「まことに、まことに、あなたがたに言います。私の名によって父に求めるものは何でも、父はあなたがたに与えて下さいます。」
主イエス・キリストは、昨日も今日もいつまでも変わらないお方です。そして父なる神から、すべての権威が与えられています。また、父なる神は、すべての名に勝る主イエスの御名を私たちに与えられました。この御名に打ち勝つ事ができる者は誰もいません。私たちはこの御名を知っている者なのです。》