◇◆◇日々のみ言葉
2020年8月26日(水)
◎聖書箇所【マタイの福音書5章5節】
5:5 「柔和な者は幸いです。その人は地を相続するからです。」
◎ショートメッセージ
《今日は、三つ目の教えです。
「柔和な者は幸いです。その人は地を相続するからです。」
今回も、尾山令仁師の現代訳を掲載します。
「ああ、なんと幸いなことでしょう、柔和な人たち。神様が、その人たちを世界の王者とさせて下さいます。」
「柔和」とはどのような意味なのでしょうか。
広辞苑をひきますと、「性質、態度がおとなしいこと」と出ています。もちろん、そのような意味であるかも知れませんが、聖書ではどのように言っているのでしょうか。
「柔和な」と訳された言葉は、原語のギリシャ語では、「プラーユス」と言う言葉が使われています。この言葉は、「人に踏みつけられても、じっとがまんしている」と言う意味を持っています。これでは、ただ、だまって屈辱を受け、忍耐していることになってしまいます。
実は、主イエスは、ギリシャ語ではなく、ヘブル語もしくはアラム語で「山上の垂訓」を語られたのです。
ヘブル語の「柔和な」と言う言葉は、「アーナーヴ」であって、それは「外的、物質的に貧しい、悲惨な」と言う意味と、「精神的にへりくだった、謙虚な、神の前に小さな」と言う二つの意味を併せ持っています。主イエスが、この言葉を使ったことは、旧約の背景に基づいての事であったと考えられるのです。
さて、「柔和」の「柔」は、柔らかい心を表わしています。その反意語は、「頑な」です。心が柔らかい人は、そう簡単に怒りをあらわにはしないのです。なぜなら受けとめる許容範囲が広いからです。
しかし、その反対に心の頑な人は、許容範囲がせまく、すぐに怒り、憤るのです。また不平不満をあらわにします。
次に、「柔和」の「和」は、和む心を表しています。「和」とは協調することです。英語で言いますならば、「ハーモニー」です。つまり相手に同調することが出来ると言うことなのです。
このように「柔」と「和」、すなわち柔和な心の持ち主は、地を相続することが出来るはずだ、と聖書は述べているのです。
「地」には、二つの意味があると思われます。
一つは、文字通り、この世における「地位」です。つまり、人々から尊敬され慕われるのです。そのような人は、上からも下からも大切にされ、知らず知らずのうちに、何時の間にか、大きな影響力を持つようになって行くのです。
もう一つの「地」とは、御国のことです。天国のことです。そう言う人は、御国に入ることが出来ると言う約束であり、また主イエス様の保証なのです。》