◇◆◇日々のみ言葉
2020年12月8日(火)
◎聖書箇所【マタイの福音書8章5節~13節】
8:5 イエスがカペナウムにはいられると、ひとりの百人隊長がみもとに来て、懇願して、
8:6 言った。「主よ。私のしもべが中風やみで、家に寝ていて、ひどく苦しんでおります。」
8:7 イエスは彼に言われた。「行って、直してあげよう。」
8:8 しかし、百人隊長は答えて言った。「主よ。あなたを私の屋根の下にお入れする資格は、私にはありません。ただ、お言葉をいただかせて下さい。そうすれば、私のしもべは直りますから。
8:9 と申しますのは、私も権威の下にある者ですが、私自身の下にも兵士たちがいまして、そのひとりに『行け。』と言えば行きますし、別の者に『来い。』と言えば来ます。また、しもべに『これをせよ。』と言えば、そのとおりにいたします。」
8:10 イエスは、これを聞いて驚かれ、ついて来た人たちにこう言われた。「まことに、あなたがたに告げます。私はイスラエルのうちのだれにも、このような信仰を見たことがありません。
8:11 あなたがたに言いますが、たくさんの人が東からも西からも来て、天の御国で、アブラハム、イサク、ヤコブと一緒に食卓に着きます。
8:12 しかし、御国の子らは外の暗やみに放り出され、そこで泣いて歯ぎしりするのです。」
8:13 それから、イエスは百人隊長に言われた。「さあ行きなさい。あなたの信じたとおりになるように。」すると、ちょうどその時、そのしもべはいやされた。
◎ショートメッセージ
《『百人隊長のしもべのいやし』の奇跡の出来事のまとめの続きとなります。実は、主イエスの十字架における最後の場面で、一人の百人隊長が登場します。しかも、その記事は三つの共観福音書すべてに書き記されています。
『百人隊長および彼と一緒にイエスの見張りをしていた人々は、地震やいろいろの出来事を見て、非常な恐れを感じ、「この方はまことに神の子であった。」と言った。(マタイの福音書27:54)』
『イエスの正面に立っていた百人隊長は、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「この方はまことに神の子であった。」と言った。(マルコの福音書15:39)』
『この出来事を見た百人隊長は、神をほめたたえ、「本当に、この人は正しい方であった。」と言った。(ルカの福音書23:47)』
この百人隊長は、カペナウムにおいて、主イエスに息子同様のしもべ(青年の部下)をいやしてもらった百人隊長と同一人物であると私は思うのです。
その根拠は、過越の祭には、言い伝えによれば、20・30万人以上のユダヤ人がエルサレムに巡礼する為に集まって来ます。
よって、暴動が起きる危険性がもっとも高く、ローマ総督は毎年、ユダヤ地方に駐屯している部隊をエルサレムに集結させていたのです。
駐屯地のひとつがカペナウムでした。よってカペナウムの百人隊長が、エルサレムにおいて任務にあたっていた可能性は十分にあり得ます。
また、マタイとマルコとルカは、あえて百人隊長の名前を明らかにはしていません。これこそ、彼が信者であることの確固たる証拠です。
そして彼の告白を一体誰が聞いたのでしょうか。確かに、主イエスが愛された弟子のヨハネは側にいましたが、もっとも可能性が高いのは、この百人隊長自身の証しではないでしょうか。
真偽は分かりません。私個人の推測にすぎないのかも知れません。しかし、その告白は真実だと思うのです。この告白は、以前から知っていたことを匂わせているからです。
「この方はまことに神の子であった。本当に、この人は正しい方であった。」》