◎本日の聖書箇所【使徒の働き9章36節~43節】
9:36 またヤッファに、その名をタビタ、ギリシア語に訳せばドルカスという女の弟子がいた。彼女は多くの良いわざと施しをしていた。
9:37 ところが、そのころ彼女は病気になって死んだ。人々は遺体を洗って、屋上の部屋に安置した。
9:38 リダはヤッファに近かったので、ペテロがそこにいると聞いた弟子たちは、人を二人、彼のところに遣わして、「私たちの所まで、すぐ来て下さい」と頼んだ。
9:39 そこで、ペテロは立って二人と一緒に出かけた。ペテロが到着すると、彼らはペテロを屋上の部屋に案内した。やもめたちはみな彼の所に来て、泣きながら、ドルカスが一緒にいた頃作ってくれた下着や上着の数々を見せるのであった。
9:40 ペテロは皆を外に出し、ひざまずいて祈った。そして、遺体の方を向いて、「タビタ、起きなさい」と言った。すると彼女は目を開け、ペテロを見て起き上がった。
9:41 そこで、ペテロは手を貸して彼女を立たせた。そして聖徒たちとやもめたちを呼んで、生きている彼女を見せた。
9:42 このことがヤッファ中に知れ渡り、多くの人々が主を信じた。
9:43 ペテロはかなりの期間、ヤッファで、シモンという皮なめし職人の所に滞在した。
◎メッセージ【ドルカスのよみがえり】
《今回は、ペテロがリダに留まっていた時に、起きた出来事について学びます。エルサレム教会から、使徒のリーダーであるペテロが巡回伝道に来たことは、付近の町々にはすぐに伝えられました。アイネアのいやしを行なった後、ペテロはリダの新しく加えられた信徒たちに、主イエスのみ言葉と、その御わざについて教えていたのです。その時に、ヤッファから二人の使いがやって来ました。
ヤッファとは、ヨッパのことです。ヨッパとは、「美しい」と言う意味で、エルサレムの北西56キロ離れた、地中海に臨む港町のことです。新約時代には、早くからここに教会がありました。紀元70年のエルサレム陥落後も、パレスチナのキリスト教の中心地の一つとして存在し続けたと言われています。
さて、ヨッパにドルカスと言う女の弟子がおりました。聖書の中で「女の弟子」と言う表現で呼ばれるのは彼女だけです。彼女は、主イエスの公生涯中に弟子になったと思われます。そして、主イエスが十字架にかかる以前にヨッパに戻っていたとも考えられます。
特に彼女が多くの良いわざと施しを人々にしていたことから、「山上の垂訓」を主イエスから、直に教えられていることは、間違いありません。よって、ペテロや他の使徒たちとも、顔見知りであったことも、ほぼ間違いないことです。
その彼女が、病気で死んでしまいました。彼女の弟子たちは、ペテロの所にやって来て、ヨッパに来てくれることを願ったのです。
ドルカスは、洗い清められ屋上の部屋に安置されていました。ところで、彼女の名前はアラム語では「タビタ」なのです。
ペテロは屋上の部屋にやって来た時に、主イエスが公生涯において成された、ある奇跡の御わざが思い浮かんで来たのです。
それは、カペナウムの会堂司ヤイロの12才になる一人娘のよみがえりです。この時、主イエスは、ペテロとヤコブとヨハネしか、共に部屋に入ることを許されませんでした。
「タリタ、クミ」これはアラム語です。訳すと、「少女よ、あなたに言う。起きなさい」という意味です。
ペテロも、ドルカスに向かって言います。「タビタ、起きなさい」すると彼女は目を開け、起き上がったのです。このことがヨッパ中に知れ渡り、多くの人々が主イエスを信じました。 新しく加えられた信徒たちを教え導く為に、ペテロは長い期間、ヨッパに留まり、シモンという皮なめし職人のところに滞在したのです。
主イエスこそがすべての人の主です。主の御心は、ドルカスをよみがえらせることでした。今現在も死人がよみがえることは起こり得ると信じています。しかし、主の御心だけが成就するのです。このお方が「救い主」です。このお方が「いやし主」です。このお方が、「命」を握っておられるのです。》