◎本日の聖書箇所【使徒の働き28章1節~10節】(新約聖書p.294上段右側)
28:1 こうして助かってから、私たちはこの島がマルタと呼ばれていることを知った。
28:2 島の人々は私たちに非常に親切にしてくれた。雨が降り出していて寒かったので、彼らは火をたいて私たちみなを迎えてくれた。
28:3 パウロが枯れ枝を一抱え集めて火にくべると、熱気のために一匹のまむしが這い出して来て、彼の手にかみついた。
28:4 島の人々は、この生き物がパウロの手にぶら下がっているのを見て、言い合った。「この人はきっと人殺しだ。海からは救われたが、正義の女神はこの人を生かしておかないのだ。」
28:5 しかし、パウロはその生き物を火の中に振り落として、何の害も受けなかった。
28:6 人々は、彼が今にも腫れ上がってくるか、あるいは急に倒れて死ぬだろうと待っていた。しかし、いくら待っても彼に何も変わった様子が見えないので、考えを変えて、「この人は神様だ」と言い出した。
28:7 さて、その場所の近くに、島の長官でプブリウスという名の人の所有地があった。彼は私たちを歓迎して、三日間親切にもてなしてくれた。
28:8 たまたまプブリウスの父が、発熱と下痢で苦しんで床についていた。パウロはその人のところに行って、彼に手を置いて祈り、癒やした。
28:9 このことがあってから、島にいたほかの病人たちもやって来て、癒やしを受けた。
28:10 また人々は私たちに深い尊敬を表し、私たちが船出するときには、必要な物を用意してくれた。
◎メッセージ【マルタ島にて】
《アレクサンドリアの船は浅瀬に乗り上げ大破し、276名の乗船者は奇跡的に、全員助かります。パウロは、この島が「マルタ島」であることを知ります。マルタ島とは、「蜜」という意味で、シシリー島の南方にある地中海の小島のことです。
さて、ルカは、マルタ島において、二つの大きな出来事を書き記しています。一つは、「まむし」に噛まれたパウロが、何の異常もなく守られたことです。
そして、もう一つは、マルタ島の長官プブリウス(旧訳ポプリオ)の父親が、パウロによっていやされたことです。このプブリウスと言うのはラテン語で、ギリシャ語ではポプリオと言います。彼は島におけるローマの最高の地位にあり、もともとマルタ島の出身であったと言われています。そのプブリウスの父親が、発熱と下痢で苦しんで床についていたのです。パウロはその人のところに行って、彼に手を置いて祈り、主イエスの御名によって癒やしたのです。このことがあって、島にいたほかの病人たちもやって来て、癒やしを受けました。
神様はパウロによって、マルタ島に大きなリバイバルを起こされたのです。パウロは、3ヵ月と言う短い滞在でしたが、マルタ島の多くの人々が救いに導かれたのです。
そして、人々は私たちに深い尊敬を表し、私たちが船出するときには、必要な物を用意してくれた、とルカは書き記しています。実は、すでにこのことが起きることを主イエスは弟子たちに預言しておられたのです。
「信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、私の名によって悪霊を追い出し、新しい言葉で語り、その手で蛇をつかみ、たとえ毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば癒やされます。」と。この言葉は、オリーブ山において昇天なされる前に、ヨハネ・マルコの家において、主が弟子たちに語られた言葉です。この成就を、パウロは身を持って体験したと言うことです。
マルタ島の首都はヴァレッタで、普段はアレクサンドリアの船は、その港に入港し、そこで冬を越します。何と、同じくアレクサンドリアの船が、そこに停泊していたのです。276名は、その船に乗船してローマに向かうことになります。》