◇◆◇日々のみ言葉
2016年5月17日(火)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章22節】
14:22 それから、みなが食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福して後、これを裂き、彼らに与えて言われた。「取りなさい。これは私のからだです。」
◎ショートメッセージ
《今日の場面は、いよいよイエス様が、定められることになる新しい礼典、「聖餐式」の場面となります。
さて、ここで一つの大きな問題定義がなされて来ました。それは、新しい契約としての「聖餐式」に、イスカリオテのユダがあずかったかどうか、と言うことです。
尾山令仁先生は、ひとりでギリシャ原語から翻訳し、「現代訳聖書」を刊行されました。先生個人は、「イスカリオテのユダは、聖餐の恵みにはあずからなかったと考えられる」との事でした。
使徒ヨハネは、こう書き記しています。
『イエスは、これらのことを話されたとき、霊の激動を感じ、あかしして言われた。「まことに、まことに、あなたがたに告げます。あなたがたのうちのひとりが、私を裏切ります。」
弟子たちは、誰のことを言われたのか、わからずに当惑して、互いに顔を見合わせていた。弟子のひとりで、イエスが愛しておられた者が、イエスの右側で席に着いていた。
そこで、シモン・ペテロが彼に合図をして言った。「誰のことを言っておられるのか、知らせなさい。」
その弟子は、イエスの右側で席についたまま、イエスに言った。「主よ。それは誰ですか。」
イエスは答えられた。「それは私がパン切れを浸して与える者です。」それからイエスは、パン切れを浸し、取って、イスカリオテ・シモンの子ユダにお与えになった。
彼がパン切れを受けると、そのとき、サタンが彼にはいった。そこで、イエスは彼に言われた。「あなたがしようとしていることを、今すぐしなさい。」
席に着いている者で、イエスが何のためにユダにそう言われたのか知っている者は、だれもなかった。ユダが金入れを持っていたので、イエスが彼に、「祭りのために入用の物を買え。」と言われたのだとか、または、貧しい人々に何か施しをするように言われたのだとか思った者も中にはいた。ユダは、パン切れを受けるとすぐ、外に出て行った。すでに夜であった。(ヨハネの福音書13:21~13:30)』
この後、聖餐式の場面をヨハネは書き記してはいません。しかしマタイ、マルコ、ルカの福音書を総合して考えますと、イスカリオテのユダは、「聖餐式」の前に、「過越の食事」の会場から出て行ったと考えるのが、妥当なのです。確かに聖書は、はっきりとそのことを断言してはいません。
しかしヨハネは、ユダがイエス様からパン切れを受け取ると、その時にユダにサタン(すなわち悪魔)が入ったと書いています。
このことをヨハネは何時知ったのでしょうか。私は蘇られたイエス様が、後にヨハネに教えられたと考えています。ユダ本人から聞くことは、不可能なことでした。なぜなら数時間後に、ユダは首をくくることになるからです。
さて、悪魔に操られた者が、どうして「聖餐の恵み」を受けることが出来るでしょうか。主に従う者、従い続ける者こそが、その恵みにあずかることが、相応しいのではないでしょうか。》