• 日々のみ言葉 2016年6月28日(火)

    ◇◆◇日々のみ言葉

    2016年6月28日(火)

    ◎聖書箇所 【マルコの福音書15章6節~7節】
    15:6 ところでピラトは、その祭りには、人々の願う囚人をひとりだけ赦免するのを例としていた。
    15:7 たまたま、バラバという者がいて、暴動のとき人殺しをした暴徒たちと一緒に牢にはいっていた。

    ◎ショートメッセージ
    《ポンテオ・ピラトは、イエス様の時代、ローマ帝国がパレスチナに駐在させていた5代目の行政長官であり総督です。歴史では、紀元26年から36年までこの地位にあったとされています。その守備範囲は、ユダヤ、サマリヤ、イドマヤが含まれ、広範囲におよんでいました。使徒信条の中に名前をとどめる唯一のローマ官僚であり、クリスチャンだけでなく、誰もが知っていると言えるほどです。
     ユダヤ歴史家ヨセフォスは、その著書「ユダヤ古代誌」において、ピラトがユダヤの総督に着任した折に、彼が聖なる町エルサレムの中に、乱暴にもいきなりローマのやり方を持ち込んだことによって、ユダヤ人の大きな反感を買ったことを伝えています。
     ある時には、神殿の中にローマの神々と偶像を刻んだ盾をつるしたこともあったようです。また神殿のための税金を水道建設に当てるようなこともしました。これらのことに加えて、ルカは、その福音書に恐ろしい出来事を記載しています。

    『ちょうどそのとき、ある人たちがやって来て、イエスに報告した。ピラトがガリラヤ人たちの血をガリラヤ人たちのささげるいけにえに混ぜたというのである。
     イエスは彼らに答えて言われた。「そのガリラヤ人たちがそのような災難を受けたから、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い人たちだったとでも思うのですか。そうではない。私はあなたがたに言います。あなたがたも悔い改めないなら、みな同じように滅びます。(ルカの福音書13:1~13:3)』

     これは、ローマの兵隊たちが、ガリラヤ人たちが聖所でいけにえをささげている時に、彼らを殺害したということであり、もちろんその命令を下したのはポンテオ・ピラトです。
     この出来事は、イエス様がすでに公生涯に入られてから、1年~2年後のことと考えられます。ピラトがなぜこのようなことをしたのか、その詳しい理由はわかりません。

     さて、「過越の祭」には、ピラトは民衆の望む囚人を、毎年ひとり、特別恩赦にて釈放していたようです。この権威が与えられていますことは、ピラトはローマ皇帝から絶大な信頼と、権限が与えられていたことを示します。
     もちろんこの件も、ピラトが独自に決めたことだと思われますが、エルサレムにおいても、ユダヤの民衆から、毛嫌いされていた存在でありましたので、人気取りの為に、あえてユダヤ最大の祭りである「過越の祭」に、囚人をひとり釈放したのでしょう。

     しかし、ピラトは大きな間違いと言いますか、とんでもない勘違いをしているのです。それは、確かにバラバは人殺しであり、またローマ帝国に対しての反逆罪にて有罪になっていた囚人ですが、イエス様は無罪のお方なのです。
     しかもピラト自身が、何度もイエス様を無罪と宣言しているわけですから、有罪の囚人バラバと、無罪のイエス様を、天秤にかけること自体、全くもっておかしな話なのです。
     イエス様は、人殺しバラバの代わりに十字架にかけられることになるのですが、極悪犯罪人バラバの為だけではなく、私たちすべての人間の罪の為に、身代わりとなってくださるのです。その具体的な目に見えるしるしとして、本来、真中の十字架につけられるはずであったバラバの代わりに、主イエス様がつけられることになるのです。》

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