◇◆◇日々のみ言葉
2016年9月29日(木)
◎聖書箇所 【ルカの福音書2章6節~7節】
2:6 ところが、彼らがそこにいる間に、マリヤは月が満ちて、
2:7 男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。
◎ショートメッセージ
《『そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリヤの総督であったときの最初の住民登録であった。
それで、人々はみな、登録のために、それぞれ自分の町に向かって行った。ヨセフもガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。彼は、ダビデの家系であり血筋でもあったので、身重になっているいいなずけの妻マリヤも一緒に登録するためであった。(ルカの福音書2:1~2:5)』
ユダヤ人は家系を重んじる人々です。それだからこそマタイは、その福音書の始めに、主イエス様の系図を載せたのです。しかしこれは父ヨセフの系図なのです。当時のユダヤ社会が、男性中心の社会であったことは明白です。
主イエス様が行なわれた「五千人の給食」の時の、五千人の数が、その奇蹟に預かった男性の数であり、女性や子供はそこから省かれていたことは誰もが知っていることです。もし女性と子供の数を入れたのなら、二万人はいたであろうことを尾山先生は言われています。
ところでマタイは、ヨセフの系図を一体誰から聞いたのでしょうか。ヨセフは、自分の長子となるイエス様に、ヨセフ家の系図を教えたことは間違いのないことです。それゆえイエス様本人から、聞いたと考えるのが妥当かと思います。
さて当時のダビデの子孫は、かなりの数が存在していたようです。それゆえベツレヘムの宿が、住民登録するダビデの子孫によってすでに満員であり、どこにもヨセフとマリヤを泊める場所がなかったとのことでした。
ここで思うことがあります。宿の主人は、マリヤのお腹とその様子を見て、今にも生まれそうな状態であったことを察したのではないでしょうか。
大勢の人々がごった返す宿の中でのお産は、周りの迷惑となり、また宗教的にも、道徳的にも、人々の目にさらすものではありません。
そこで、その宿の女主人(あるいは主人の妻)が、その宿の家畜小屋に案内したのではないでしょうか。家畜小屋と言いましても、今風な木で造られた小屋ではなく、横穴式の洞窟であったのです。
さてヨセフは若い男性です。当たり前のことですが、出産の現場などに立ち会ったことなどないはずです。聖書には書かれていませんが、家畜小屋に案内した女主人が、マリヤのお産に立ち会って、助産婦の役目をしたのではないでしょうか。
なぜこのように考えるかと言いますと、ユダヤの人々は旅人をもてなすことを美徳としているからです。それゆえ、身重になった若い母親と父親を放り出すようなことはしないはずです。
マリヤは、主イエス様を出産します。そして生まれたばかりの「神の御子」を布でくるんで「飼葉おけ」に寝かせます。
この飼葉おけも、良く絵画で描かれているような「木のおけ」ではなく、洞窟の横をくり抜いて作った石の物なのです。私たちの主は、そのような場所でお生まれになりました。
さて最後にですが、ヨハネとマリヤは宿に泊まる十分なお金は持っていたと思います。しかし、本当に宿はどこも満員で、ましてや妊婦が泊まるような部屋はなかったのです。これもすべて父なる神様の成されたご計画であり、作り出された状況なのです。》