• 日々のみ言葉 2016年11月2日(水)

    ◇◆◇日々のみ言葉

    2016年11月2日(水)

    ◎聖書箇所 【ルカの福音書3章14節】
    3:14 兵士たちも、彼に尋ねて言った。「私たちはどうすればよいのでしょうか。」ヨハネは言った。「だれからも、力ずくで金をゆすったり、無実の者を責めたりしてはいけません。自分の給料で満足しなさい。」

    ◎ショートメッセージ
    《次に、バプテスマのヨハネの所にやって来たのは「兵士たち」でした。
     尾山令仁先生は、この兵士たちが「ローマ兵」であるという解釈をしています。
     もちろん「ローマ兵」であったかも知れないのですが、もう一つ別な解釈が出来ます。それは、ヘロデ・アンティパスに雇われていたユダヤ人の兵士たちです。

     エルサレム市内には、総督ポンテオ・ピラトを守るローマ軍は、通常そこに駐屯していたのは百人の兵士たちと、一人の百人隊長であったのです。彼らが、ヘロデ王を守る義務もなければ、またその余裕などあるはずがありません。総督ピラトや百人隊長、ローマ兵たちは、いつ暴動が起きるのかと、日々恐縮していたことが真実です。

     それゆえヘロデ・アンティパスを守る、王直属のユダヤ人の近衛兵たちが存在していたことは、間違いありません。

     ユダヤ人でなければ、どうしてバプテスマのヨハネの所に行き、バプテスマを受けることなどするのでしょうか。ローマ兵たちは、別な宗教を持っていましたし、彼らの関心事と言えば、何時祖国のローマに帰還出来るだろうか、と言うことだったのです。それほど、彼らに取ってはエルサレムは辺境の地であったのです。

     ローマに取ってユダヤ人は、その支配と統率が難しい民でした。なぜなら、彼らの心の中に、何時の日にかメシヤなる救い主が現われ、ユダヤの国中に居座るローマ軍を討ち滅ぼして、以前の栄光に満ちたユダヤ王国を再建してくれると言う、強い願望と、信仰があったからなのです。

     さて「兵士たち」は、ヨハネの所にやって来ました。
    「私たちはどうすればよいのでしょうか。」

     するとヨハネはこう答えます。
    「だれからも、力ずくで金をゆすったり、無実の者を責めたりしてはいけません。自分の給料で満足しなさい。」

     ここから、彼らが力ずくでゆすりをしていたこと、そして無実の者を脅していたことが分かります。しかし彼らであっても愚かではないはずです。金のない者にゆすりなどしても仕方がありません。よって一番被害を被ったのは、「取税人」たちではなかったではないでしょうか。また彼らに給料が支払われたことも、ここから分かります。

     さて「自分の給料で満足しなさい。」と言うヨハネの言葉ですが、これは「ヘブル人への手紙」にも相通じるものが有ると言えそうです。

     ヘブル人への手紙の著者はこう勧めています。

    『金銭を愛する生活をしてはいけません。いま持っているもので満足しなさい。主ご自身がこう言われるのです。「私は決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない。」(ヘブル書13:5)』

     この世界は、多くの物で溢れかえっています。カトリック教会の司祭の持ち物は、スーツケース一つであり、その中には、着替えの下着と司祭服と聖書と、身の回りの品だけで、そのまま何時でもすぐに、どこへでも移動することが出来ると、以前聞いたことがあります。今少し、身の回りを整理し、シンプルライフを考える必要があるのかも知れません。》

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