◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月21日(木)
◎聖書箇所【使徒の働き26章30節~32節】
26:30 ここで王と総督とベルニケ、および同席の人々が立ち上がった。
26:31 彼らは退場してから、互いに話し合って言った。「あの人は、死や投獄に相当することは何もしていない。」
26:32 またアグリッパはフェストに、「この人は、もしカイザルに上訴しなかったら、釈放されたであろうに。」と言った。
◎ショートメッセージ
《「アグリッパ王。あなたは預言者を信じておられますか。もちろん信じておられると思います。」
「あなたは、わずかな言葉で、私をキリスト者にしようとしている。」
「言葉が少なかろうと、多かろうと、私が神に願う事は、あなたばかりでなく、きょう私の話を聞いている人がみな、この鎖は別として、私のようになって下さることです。」
ここでパウロは、証しとも言うべき弁明と伝道メッセージをひとまず終えます。それと同時に、アグリッパとベルニケ、そして総督フェストは立ち上がり席を外します。また彼らと共に同席していた者たちも立ち上がりました。
この後、パウロは護衛兵によって、また牢獄に戻されます。そして退場した後に、アグリッパとフェストが話し合ったことが書き記されています。
「あの人は、死や投獄に相当することは何もしていない。」
「この人は、もしカイザルに上訴しなかったら、釈放されたであろうに。」
ところで、どうしてこの会話の内容が残されているのでしょうか。パウロやルカがまだフェストの法廷に留まっていた時に、たまたま耳に聞こえて来たのでしょうか。
当然、この会話を誰かが、直に耳で聞かなければ、書き記すことは出来るはずもないからです。
考えられますことは、総督フェストに仕える高官の中に、主イエスにある兄弟が存在していたと言うことです。もちろん名前は伏せられています。それは、ルカの福音書と使徒の働きが執筆された頃も、まだ健在であった可能性があるからです。
ところで、「もしカイザルに上訴しなかったら、釈放されたであろう。」と言う言葉ですが、パウロが無罪であるならば、カイザル(ローマ皇帝ネロ)から全権を委譲されたフェストが、自身の判断によってパウロを解放しても良かったのではないでしょうか。それが成されなかった理由は二つほど考えられます。
一つは、パウロが身の安全の為に、保身をフェストに願い出ていたからと言うことです。そしてもう一つは、パウロがローマに行くことが、主イエスのご計画であったと言うことです。
明日から、使徒の働きも27章へ、そしていよいよクライマックスとなる「ローマへの舟旅」へと入って行きます。》