◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月22日(金)
◎聖書箇所【使徒の働き27章1節~2節】
27:1 さて、私たちが船でイタリヤへ行くことが決まったとき、パウロと、ほかの数人の囚人は、ユリアスという親衛隊の百人隊長に引き渡された。
27:2 私たちは、アジヤの沿岸の各地に寄港して行くアドラミテオの船に乗り込んで出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。
◎ショートメッセージ
《使徒の働き26章では、おもにパウロの弁明について学びました。その場に医者ルカが同席していたことは疑うことの出来ない事実です。
今日から、「使徒の働き」の学びは27章へ入りますが、ここから主語が、「パウロ」から「私たち」へと変わっていることに気づかされます。
つまり、これ以降の記事は、パウロとルカが同じ体験をしたことに基づいて書かれています。
ここから分かることは、パウロ以外に、ローマに送られる囚人が数人存在していたことです。彼らはユダヤ人ではないと思われます。もしユダヤ人の犯罪人でしたら、ローマに送ることも、またローマに行く必要もないはずです。なぜなら、ローマ総督がその権限を持って裁判を行ない、処罰すれば良いからです。
げんに主イエス様は、ポンテオ・ピラトにそのような処遇を受けられたのですから。
よって、この数人の囚人たちは、ローマ人もしくはギリシャ人であった可能性が高いと思われます。
さて、ここに親衛隊が登場します。親衛隊とは、ローマ皇帝に直属する部隊のことです。しかもその百人隊長の名が「ユリアス」と言うのです。
この人物は、囚人パウロの護衛として、ローマへの旅路にしか登場しません。よって、詳しいことは分かりませんが、ルカがあえて彼の名前を「使徒の働き」に書き残したことから、パウロとルカを通して、この旅路の後に、主の兄弟となった可能性も大いに考えられることです。
そして、ルカはもう一人の人物をここで挙げています。それは「テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコ」です。
この人物は、使徒の働き19章に登場します。パウロとバルナバによる「第一回伝道旅行」において、エペソで起こった「アルテミス」事件の時に、人々に捕らえられるのです。すぐに釈放されますが。
『そして、町中が大騒ぎになり、人々はパウロの同行者であるマケドニヤ人ガイオとアリスタルコを捕え、一団となって劇場へなだれ込んだ。(使徒の働き19:29)』
と書かれています。
テサロニケは、ローマの植民地マケドニヤ州の首都であって、その町出身のアリスタルコと言う意味です。このアリスタルコも、パウロとルカと共に、九死に一生とも言うべき大きな試練を体験することになるのです。》