◇◆◇日々のみ言葉
2021年6月8日(火)
◎聖書箇所【マタイの福音書14章1節~3節】
14:1 そのころ、国主ヘロデは、イエスのうわさを聞いて、
14:2 侍従たちに言った。「あれはバプテスマのヨハネだ。ヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、あんな力が彼のうちに働いているのだ。」
14:3 実は、このヘロデは、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、牢に入れたのであった。
◎ショートメッセージ
《今日からマタイの福音書の学びも、第14章に入って行きます。最初は、悲しい話です。すなわちバプテスマのヨハネの処刑の場面だからです。この記事は、三つの共観福音書に載っています。マルコの福音書の並行記事は、ほぼマタイの福音書と同じです。 ルカの福音書は、簡潔に書かれています。三つの共観福音書のどの福音書も、過去に起こった出来事を回想する形で、その場面を描いています。
しかし一つ不思議なことがあります。それは、マタイの福音書とマルコの福音書の記事はあまりにもリアルで、またかなり詳細にわたっています。つまり、これは現場にいなければ書くことの出来ないほどの内容なのです。
よって、考えられるとしましたら、ヘロデ・アンティパスの宮殿に、しかも王の側近として仕える者の中に、主イエスを信じ従う弟子がいたと言うことです。
そこで聖書を調べますと、考えられる人物が、一人浮かび上がって来ます。
それは、
『さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。(使徒の働き13:1)』と、
ルカが書き記していることから、「国主ヘロデの乳兄弟マナエン」が、その現場におり、バプテスマのヨハネの殉教を目撃したことは、ほぼ間違いないと思われます。
マナエンは、ヘロデ・アンティパスが、神様の裁きにより虫に噛まれて死んだ後、宮殿を後にし、アンテオケの教会に身を寄せたとも考えられるのです。
アンテオケ教会には、パウロのかつての盟友バルナバ、ニゲル(ニグロのギリシャ語読み)と呼ばれるシメオンがおり、この者は、かつて、ヴィアドロローサにおいて、主イエスの十字架を代わりに担いだ者とも伝えられています。
そしてクレネ人ルキオこと、福音書の執筆者である医者ルカと、サウロ(後のパウロ)が、教会を導いていたのです。
さて、この頃に国主ヘロデ・アンティパスは、主イエスのうわさを耳にしていたようです。しかし彼は、主イエスが十字架にかけられる直前までは、会うことを許されませんでした。
ヘロデは侍従たちに言います。
「あれはバプテスマのヨハネだ。ヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、あんな力が彼のうちに働いているのだ。」と。この告白から、ヘロデは、バプテスマのヨハネの事をある程度は認め、信じていたことが分かります。》