◇◆◇日々のみ言葉
2021年6月29日(火)
◎聖書箇所【マタイの福音書15章21節~28節】
15:21 それから、イエスはそこを去って、ツロとシドンの地方に立ちのかれた。
15:22 すると、その地方のカナン人の女が出て来て、叫び声をあげて言った。「主よ。ダビデの子よ。私をあわれんで下さい。娘が、ひどく悪霊に取りつかれているのです。」
15:23 しかし、イエスは彼女に一言もお答えにならなかった。そこで、弟子たちはみもとに来て、「あの女を帰してやって下さい。叫びながらあとについて来るのです。」と言ってイエスに願った。
15:24 しかし、イエスは答えて、「私は、イスラエルの家の滅びた羊以外のところには遣わされていません。」と言われた。
15:25 しかし、その女は来て、イエスの前にひれ伏して、「主よ。私をお助け下さい。」と言った。
15:26 すると、イエスは答えて、「子どもたちのパンを取り上げて、小犬に投げてやるのはよくないことです。」と言われた。
15:27 しかし、女は言った。「主よ。そのとおりです。ただ、小犬でも主人の食卓から落ちるパンくずはいただきます。」
15:28 そのとき、イエスは彼女に答えて言われた。「ああ、あなたの信仰は立派です。その願いどおりになるように。」すると、彼女の娘はその時から直った。
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。昨日はマルコの福音書の並行記事を掲載し、この女は、「カナン人の女」となっていますが、「ギリシャ人であってスロ・フェニキヤの生まれ」であることが分かりました。
そして、彼女が後に主イエスの忠実な弟子になったと思われることは、マタイの福音書の15章28節『すると、彼女の娘はその時から直った』ことから推測することが出来ます。
特に、マルコの福音書の並行記事では、
『女が家に帰ってみると、その子は床の上に伏せっており、悪霊はもう出ていた。(マルコの福音書7:30)』と書かれており、「娘がいやされた」ことが、使徒たちに伝えられていることこそが、その証拠なのです。
主イエスは彼女に、「ああ、あなたの信仰は立派です。その願いどおりになるように。」と言われ、褒められます。
ただ、弟子たちと一緒に行動することは難しかったかと思われます。なぜなら彼女は「異邦人」だからです。
やがて訪れる使徒パウロの時代に、この地方に建てられた異邦人教会に重んじられた女性執事になったかも知れません。
二つの福音書に、ここまで詳細にわたって掲載されてあることから、もしかしましたら、パウロの書簡に登場する女性の中の一人であった可能性も高いのです。残念ながら、マタイもマルコも名前を伏せていますので、人物を特定することが出来ません。
主イエスは彼女に、「子どもたちのパンを取り上げて、小犬に投げてやるのはよくないことです。」と言われます。これは、ひどい言葉ではなく、ユダヤ人が異邦人に対して扱う態度を、単に表しているに過ぎません。しかし彼女は、それを認め受け入れているのです。
「主よ。そのとおりです。ただ、小犬でも主人の食卓から落ちるパンくずはいただきます。」と。
主の御前において、このへりくだった態度こそ、私たちに求められるものなのです。この信仰を主は、誉められたのです。私たちも、主に誉められたいものです。》